2010 Fiscal Year Annual Research Report
昭和文学の結節点としての福永武彦-古事記からヌーヴォロマンまで
Project/Area Number |
21520201
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
近藤 圭一 聖徳大学, 人文学部, 講師 (60306454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 兼士 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (00191304)
岩津 航 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (60507359)
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Keywords | 福永武彦 / 近代文学 / 戦後文学 / フランス文学 / ボードレール / ロートレアモン / 比較文学 / 比較芸術 |
Research Abstract |
本研究は、交付申請書の通り、研究発表会を中心に様々な研究活動を展開するものです。成果は年次報告書『年報・福永武彦の世界』で公表し、各方面に配布しています。2年目に当たる本年度は4月に金沢で第1回目、シンポジウムと座談会の終了後に第2回・第3回の打ち合わせ会を行いました。 本年度の研究発表会は、前期に長田弘、阿部日奈子、小池昌代各氏を招聘し、研究分担者山田と共に7月24日に日本近代文学館でシンポジウム「詩人たちが読む福永武彦」を行いました。この種の研究は初めての試みで、福永文学における生と死の位置づけといった深遠なテーマにも言及され、研究上有意義な催しになりました。この模様は2010年8月13日付『週刊読書人』で報じられました。なお、このシンポジウムに関聯し、今年度の研究成果には現代詩と翻訳詩に関するものも掲げました。 また、後期には福永の子息の池澤夏樹氏と北海道で長年福永研究に従事している田口耕平氏を招き、研究代表者・研究分担者・連携研究者4名と共に非公開の座談会を行い、親子の縁のこと、日本を代表する文学者である池澤氏による福永作品の解釈、広い知見を持つ氏が分析する世界文学の中の福永文学といった様々な話題を論じました。この座談会は福永文学の研究に留まらず、池澤文学、さらに広く日本文学の世界性といったことを研究する上で極めて重要な資料になるでしょう。 以上の研究成果は、研究分担者山田が『年報・福永武彦の世界』第2号に編輯し、3月に発行しました。また、研究成果を公開するために連携研究者西岡が昨年度ホームページを作成しましたが、今年度は管理を専門の研究業務補助者に委ねて一層の充実を図ることになりました。 また、研究代表者近藤が日本経済新聞の取材を受け、2010年9月12日の記事の中で本研究課題のことが取り上げられました。最終年度である次年度も今年度同様の活動を展開する予定です。
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