2011 Fiscal Year Annual Research Report
昭和文学の結節点としての福永武彦―古事記からヌーヴォロマンまで
Project/Area Number |
21520201
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
近藤 圭一 聖徳大学, 人文学部, 講師 (60306454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 兼士 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (00191304)
岩津 航 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (60507359)
西岡 亜紀 お茶の水女子大学, 比較日本学教育研究センター, 客員研究員 (70456276)
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Keywords | 福永武彦 / 学習院 / 戦後文学 / フランス文学 / ボードレール / ロートレアモン / 比較文学 / 比較芸術 |
Research Abstract |
本研究は公開研究発表会を中心に様々な研究活動を展開するものです。成果は年次報告書『年報・福永武彦の世界』で公表し、文学館・図書館・研究機関など各方面に配布しています。最終年度に当たる本年度は5月に大阪で1回目、10月の講演会の際に2回目の打ち合わせ会を行い、3月には反省会を行いました。 公開研究発表会としては、10月29日に粟津則雄先生をお招きして日本近代文学館で講演会「福永武彦・美術・音楽」を行い、福永武彦の文学に多く見られる美術や音楽の要素についてこの分野の第一人者である粟津先生にお話を色々伺いました。また、この機会に研究代表者の近藤と研究分担者の岩津が研究発表を行いました。研究上有意義な催しであったと考えております。 また、1月28日には学習院大学仏文科で福永の教えを受けた照木健先生、中川信吾先生、佐藤領時先生をお招きし、近藤と岩津、研究分担者西岡と共に座談会「学習院大学の福永武彦」を行いました。教育者として、フランス文学者としての姿や、福永個人の生活などについて貴重な証言を頂きました。 以上の研究成果は、研究分担者山田が『年報・福永武彦の世界』第3号に編輯し、3月に発行しました。なお、ここには西岡と岩津が翻訳した福永の仏語による卒業論文の一部を掲載しました。これも貴重な資料になるでしょう。 3年間の研究活動で、3回の公開研究発表会と2回の座談会、聞き書き調査や資料調査、多数の論考や発表を行い、3冊の『年報』を残し、赫々たる成果を挙げることができました。本研究専用のホームページを見てこちらに聯絡して下さる方も何名もおられ、研究水準だけではなく研究環境の向上にも些かの寄与を果たしたものと思われます。昨年北海道立文学館で福永武彦展が行われましたが、その図録で本研究の成果が多数引用されたのは本当に嬉しいことでした。今後はこの成果を公刊し、研究を一層深めていく所存です。
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