2009 Fiscal Year Annual Research Report
高度成長による文学と文化の変容―中国との比較を視座として―
Project/Area Number |
21520204
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
瀧田 浩 Nishogakusha University, 文学部, 准教授 (30299888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 淑禎 立教大学, 文学部, 教授 (30132252)
渡邉 正彦 玉川大学, リベラルアーツ学部, 教授 (40259065)
石川 巧 立教大学, 教授 (60253176)
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Keywords | 比較文学 / 比較文化 / 社会学 / 思想史 |
Research Abstract |
平成21年度における研究は、22年度に、中国の上海万博時におこなうことを予定している、中国の研究者とのシンポジウムに向けた準備期間と設定した。そのため、日本と中国との関係に視点を置いた研究をおこなうより、むしろ日本の高度成長期における各自の文化研究をさらに深化・発展させるべき時期と考え、進めた。 代表者である瀧田浩は、21年度においては研究成果を発表していないが、高度成長期におけるマンガやテレビ番組などの少年文化の状況を調査している。また、研究の柱と設定しているマンガ家・寺田ヒロオの著作は現在全集が出版中であり、その精読に努めている。22年度には寺田ヒロオのマンガをマンガの歴史や同時代の少年文化をめぐる状況と関連づけた論文を執筆する予定であり、21年度はそのための準備期間となった。 11の研究発表(研究成果)欄を見ればわかるが、研究分担者の成果は確実にあがっている。藤井淑禎による高度成長期における読者をめぐる研究は、純文学読者を相対化する大衆読者について、戦後の文学史の再評価の問題にもおよぶ可能性を秘めた創見を、説得的な情報とともに提示している。石川巧による文学言説や教育言説などの史的研究を中心とした論考も多くの価値を有するものであり、文学研究・文化研究の空白を有効に補完するものである。これらが、論文・著書等のかたちで、多く世に出たことは、本研究課題を進める者にとって、誇るべき研究成果だといえよう。 他には、本研究の成果をいかに発表するかについて有効な話し合いを持てたことも、特筆すべきであろう。日本における東京オリンピックと大阪万博、中国における北京オリンピックと上海万博。いずれも高度成長期の象徴となるイベントであるが、このイベントをめぐる文学・文化・社会に目配りをした上で、位相差を明らかにすることができれば、得られる成果は多いはずである。共同研究のメンバーの話し合いによって、これら日本と中国のオリンピック・万博の歴史性・言説等をめぐる著作の出版を23年度に実現できるようにするための具体的な計画づくりに着手した。
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Research Products
(8 results)