2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520215
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
島田 大助 豊橋創造大学, 情報ビジネス学部, 教授 (50351177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 孝弘 清泉女子大学, 文学部, 教授 (40255956)
荒尾 禎秀 清泉女子大学, 文学部, 教授 (20014813)
川上 陽介 京都大学, 国際交流センター, 非常勤講師 (00574451)
山口 満 豊橋創造大学, 情報ビジネス学部, 講師 (60413762)
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Keywords | 日本笑話 / 中国笑話 / 近世の漢字表記 / 近世の漢字傍訓 / 和漢比較文学 |
Research Abstract |
日本、中国の笑話研究を通して、それぞれの国の文学、国語、芸能についての理解を深め、日中両国の風土・文化の比較を行うための情報を与えることを目的とし、次の5項目について研究した。(1)諸本調査、(2)書誌情報の整理、(3)収集資料のデータベース化、(4)『解顔新話』の翻刻・注釈・異体字調査、(5)翻字を行った文字のデータベース化。 上記の研究を行うことで、平成23年度は、『解顔新話』の翻刻・注釈及び日本近世文学との影響関係についての検討、『笑林広記』と『絶纓三笑』の比較、『訳解笑林広記』の諸本調査(撮影を含む)を行った。 3年間の研究期間で、『笑林広記鈔』『解顔新話』については、『新鐫笑林広記』との本文比較、原話の邦訳の作業を終え、浮世草子、日本笑話、川柳などへの影響を指摘した。 研究を通じ、漢字に付される傍訓の重要性を改めて感じた。中国笑話の日本笑話化を検討するためには、笑話に付された傍訓は文脈理解のうえで不可欠であり、今後も継続して取り組まねばならない課題であると考えた。 これまで行った研究には、異体字の調査も含まれていた。近世期は、現代に通じる文字が確立する時期にあたり、文字表記が固定していく過程で出版物が果たした影響は大きいと考えたからである。今回研究対象とした『笑林広記』は、日本、中国で繰り返し刊行されている。版の違いにより文字表記が異なっていることが、本研究で行った調査で明らかになりつつある。今回の研究では十分に成果を出すことが出来なかったが、『笑林広記鈔』『解顔新話』については、『新鐫笑林広記』との比較を終えたので、報告書その他を利用して報告する。
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Research Products
(4 results)