2009 Fiscal Year Annual Research Report
黒川家旧蔵資料を通して見た江戸期知識層の形成と知識流通に関する研究
Project/Area Number |
21520220
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
廣嶋 進 Kanagawa University, 経営学部, 教授 (30208871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤實 久美子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (90337907)
新美 哲彦 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (90390492)
海野 圭介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80346155)
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Keywords | 国文学 / 黒川文庫 / 国学 / 蔵書形成 |
Research Abstract |
本研究は、ノートルダム清心女子大学、実践女子大学、その他に分蔵される、「黒川文庫」と通称される江戸期の「国学者」の旧蔵資料群を素材として、主として書物の流通・収集過程の解明と、書籍に書き入れられた注説の比較検討とその流通過程の解明を通して、江戸期の知識層の一典型としての「国学者」の姿を立体的・多面的に描こうと試みるものである。具体的には、(1)「江戸後期の蔵書形成と書籍流通に関する検討」、(2)「江戸期知識階層の知識基盤形成とそのネットワークに関する検討」、(3)「江戸期の出版統制と蔵書形成に関する相関的検討」の3点のテーマを立てて検討を行う計画を立てている。 平成21年度は、主として、(1)及び(3)のテーマに関わる成果として成文化された論考及び著述を公開した。具体的には、従来異本『紫明抄』と通称されたノートルダム清心女子大学附属図書館蔵『光源氏物語抄』(江戸前期写)の書誌的及び記載内容面における検討を行い、全冊の書影とともに『正宗敦夫収集善本叢書第1巻光源氏物語抄』(武蔵野書院2009)として公刊した。同書は造本や筆跡に公家衆の関与が想定され、表紙、題簽などの書誌的事項の検討を端緒に、主として禁裏御文庫伝来の蔵書との対応関係について検討を行ない、書籍の流通する経路等について検討を行った。また、江戸期公家衆の人物同定に必要な基本的資料を集成し、『近世公家名鑑編年集』(柊風舎2009)として刊行した。これもまた、江戸期の人的交流の解明に極めて有益な資料と考えられる。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] 漢訳仏典の受容と和歌2009
Author(s)
海野圭介
Organizer
International Meeting at Faculty of Arts, Chulalongkorn University
Place of Presentation
Faculty of Arts, Chulalongkorn University, Thailand
Year and Date
20090800
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