2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 教授 (30170682)
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Keywords | ディケンズ / アダプテーション / 映画 / イギリス小説 |
Research Abstract |
研究代表者は今年度、3回の研究発表を行った(うち招待講演が2回)。まず2010年5月に日本英文学会シンポジウム「ヴィクトリア朝の自伝を読む」において「ラスキンのPraeterita」と題して、ディケンズの自伝小説『デイヴィッド・コパフィールド』に影響を受けたと目されるラスキンの自伝について、次いで7月に日本オースティン協会で「オースティンとディケンズ」と題して、ディケンズとジェイン・オースティンの比較研究について、10月には日本フォークナー協会シンポジウム「フォークナーとミステリー」において、「フォークナーと推理小説の伝統」と題してディケンズと推理小説に関する考察を発表した。 また、ディケンズ研究の専門誌、The DickensianにDombey and sonおよびThe Old Curiosity Shopの朗読に関する書評を発表した。 ディケンズの『大いなる遺産』の翻訳作業を通じて視覚的文体を吟味・検討した。この翻訳は2011年7月に出版される予定である。 英国的ユーモアの実践者として、ディケンズの伝統を継承するマックス・ビアボームの『ズリイカ・ドブソン』を訳出し、出版することができた。 こうして多角的にディケソズの文学を考察するとともに、ディケンズと他の作家の関係を軸にアダプテーションに関する思考を深化させた。
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