2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21520248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 教授 (30170682)
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Keywords | ディケンズ / アダプテーション / 映画 / イギリス小説 |
Research Abstract |
本研究の成果の一つとして、ディケンズ小説の映画アダプテーションについての論考をケンブリッジ大学出版局から刊行された論文集において発表することができたことは大きな収穫である。 ディケンズの最高傑作、『大いなる遺産』の翻訳を完成・出版し、いわゆる「映画的文体」を綿密に精査することができた。さらに、この翻訳についての論考をディケンズ研究の中心的な国際誌「ザ・ディケンジアン」に発表することができた。 ディケンズ小説の特性を、フォークナーやオースティンといった異質な作家と比較する論考を作成することによって、より深く理解することができた。 当初の研究計画の最終段階として構想していた、ディケンズが『オリヴァー・トウィスト』における主要ないくつかのモチーフをいかにアダプトして自作の中で変奏していくか、というアイデアについて、3月に外国出張を行った際、ロンドン大学教授でディケンズの世界的権威であるマイケル・スレイター教授のレビューを受け、考えを深めることができた。これについては2012年5月の日本英文学会で成果を発表する予定である。 2012年3月に連合王国バッキンガム大学で行われた「ディケンズとヴィクトリア朝中期のジャーナリズム」と題された学会に出席し、ホリー・ファーノウ、ジョン・ドルーら第一線のディケンズ研究者と有益な情報交換を行うことができた。
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