2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポストモダニズムにおける社会的責任と道徳ー新しいユダヤ系アメリカ作家の抵抗
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21520255
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新田 玲子 広島大学, 文学研究科, 教授 (40180674)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / ユダヤ系作家 / ポストモダン / ホロコースト / ウォルター・アビッシュ / 第二次世界大戦 / ジョーゼフ・ヘラー |
Research Abstract |
本年度は完成年度となるため、これまで行ってきたウォルター・アビッシュの全作品を展望するような論文を作成した。本来は英語で書籍として出版する予定で準備を進めていたが、ユダヤ性と強く結びつける論になっているためか、作家から英語による公表を強く反対された。日本語で書籍として公表することは阻まないと言われたが、専門的な内容であり、読者が限定されてしまう。そこで、研究内容を広く知ってもらうことを選び、論を短くして英語論文として公表することとし、2013年6月に開催された「国際文学心理学会」で口頭発表した。この口頭発表ののち、この学会で公表され、論文として提出されたものの中から、優秀論文として選ばれた論文選集が出版されることになり、本論文もその中に含まれる予定で、現在6月の出版に向けて準備中である。 なお、このアビッシュ研究の成果は、2013年9月に日本アメリカ文学会関西支部から招待発表として学会での発表を依頼された機会を利用し、日本語でも公表させてもらった。 本年度はさらに、研究対象の枠をさらに広げ、ポストモダン的手法を用い、なおかつ社会的・道徳的責任を強く感じさせるジョーセフ・ヘラーの作品のうち、まだ手をつけていなかった第四作、God Knowsの研究を行った。この成果は来年度、公表することになるだろうが、これにより、ポストモダン的手法を用いながらも1970年代以降に活躍を始めるレイモンド・フェダマンやウォルター・アビッシュと異なり、それ以前に活動を始めたヘラーのポストモダン的特徴は、文学技法面に留まることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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