2009 Fiscal Year Annual Research Report
オキナワ系アメリカ文学の生成と発展に関する基礎研究
Project/Area Number |
21520264
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 勝己 University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (80101450)
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Keywords | オキナワ系アメリカ文学 / ジョン・シロタ / ハワイ / 沖縄 |
Research Abstract |
本研究では、これまで未開拓である「オキナワ系アメリカ文学」の基礎的研究を行う。いわゆる本土系の日系アメリカ文学はこれまで活発に研究されてきたが、オキナワ系アメリカ人とその子孫たちによる文学は、現在に至るまで研究の対象になっていない。本研究では、基礎テクストの収集と分析・評価及び書き手に対するインタビュ等を行うことにより、「オキナワ系アメリカ文学」の全体像を明らかにし、関連する日系アメリカ文学及びアジア系アメリカ文学の理解に資することを目的とする。また、このような研究は、アメリカ文学全体の理解に資するだけでなく、「アメリカ文学」全体の枠組みの再定義にも貢献するものになるであろう。 上記研究目的に沿って、研究を行い、共著『沖縄・ハワイ コンタクト・ゾーンとしての島嶼』(彩流社2010年3月)に「コンタクト・ゾーンとしての戦後沖縄(序章、14-28頁)を執筆し、オキナワ系アメリカ文学を理解するための背景を分析した。また、2009年8月から11月にかけて、ハワイ州ホノルル市を中心にオキナワ系アメリカ作家による資料収集を行い、これまで未発見の資料を収集した。さらに、オキナワ系アメリカ作家や詩人及び戯曲家等とディスカッションを行い、「オキナワ系アメリカ文学」の概念の深化につとめた。特に、ハワイ在住のジャーナリスト等による協力もあり、多様な資料収集の可能性が拡がりつつある。 このような研究を推進し、実績を蓄積することで、これまでほとんど未開拓であったオキナワ系アメリカ文学の特質や全体像が明らかになり、この分野における今後の研究に貢献することがきできたと考えている。
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