2010 Fiscal Year Annual Research Report
オキナワ系アメリカ文学の生成と発展に関する基礎研究
Project/Area Number |
21520264
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 勝己 琉球大学, 法文学部, 教授 (80101450)
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Keywords | オキナワ系アメリカ文学 / ジョン・シロタ / オキナワ系ディアスポラ / 文化変容 / コンタクトゾーン / 移民 / アジア系雨アメリカ文学 / アメリカ文学 |
Research Abstract |
本研究では、これまで未開拓である「オキナワ系アメリカ文学」の基礎的研究を行う。いわゆる本土系の日系アメリカ文学はこれまで活発に研究されてきたが、オキナワ系アメリカ人とその子孫たちによる文学は、現在に至るまで研究の対象になっていない。本研究では、基礎テクストの収集と分析・評価を行うことにより、「オキナワ系アメリカ文学」の全体像を明らかにし、関連する日系アメリカ文学及びアジア系アメリカ文学の理解に資することを目的とする。 上記研究目的に沿って、オキナワ系アメリカ文学を代表する作家であるジョン・シロタの作品を中心に分析した。さらに、平成22年11月にはシロタ作「ラッキー・カム・ハワイ」(戯曲版)を国立劇場おきなわで拙訳で上演した。同劇場の雑誌にシロタ論を掲載した。また、ハワイ、サンフランシスコ、ロスアンゼルスを中心に資料収集を行い、新発見資料を収集し、現在整理中である。さらに、新発見の女性作家による自伝や、ハワイ移民社会のリーダーによる日誌などを現在翻訳中である。研究の遂行にあたっては、ロスアンゼルス在のジョン・シロタ、カリフォルニア大学デイヴィス校名誉教授でピューリツア受賞詩人ゲーリー・スナイダー氏、サンフランシスコ州立大学のベン・コバシガワ教授、ハワイ大学のジョイス・チネン教授等の支援を受けた。 このような研究を推進し、実績を蓄積することで、これまでほとんど未開拓であったオキナワ系アメリカ文学の特質や全体像が明らかになり、この分野における今後の研究のみならず、アメリカ文学全体の理解にも貢献することがきできると確信している。
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