2009 Fiscal Year Annual Research Report
ジェームズ・ホッグを中心としたスコットランド文学・文化研究
Project/Area Number |
21520293
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
金津 和美 Doshisha University, 文学部, 准教授 (90367962)
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Keywords | スコットランド文学・文化 / ジェームズ・ホッグ / 農村・大衆文化 / イギリス・ロマン派 / 啓蒙主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「エトリックの羊飼い」として知られ、ロマン主義期のスコットランドを代表する農村労働者階級の詩人・作家James Hoggを取り上げ、文学作品とスコットランド農村文化の変容と保全の関係について考察することにある。この研究目的にしたがい、研究初年度である2009年度は研究の基盤を作り上げることに重点を置き、Hoggによる文芸誌への投稿作品を中心に、一次資料の収集及び精読・分析作業に従事した。上半期は、1810~1811年にHoggが自ら編集した文芸誌The Spy、またBlackwood's Edinburgh Magazineへの投稿及び同誌の連載Noctes Ambrosianaeにおける「羊飼い」像の成立、そして代表作The Private Memoirs and Confessions of a Justified Sinnerに至るHoggと都市出版文化との複雑な関係性を考察し、論文として出版した。さらにスコットランド国境地帯の民間伝承を綴ったBlackwood's Magazineへの連載The Shepherd's Calendarを始めとする投稿作品の分析、またGeorge Gordon ByronやEdinburgh Reviewとの交流のきっかけとなった作品The Queen's Wakeの読解、解釈作業を行った。下半期においては、上半期での研究成果に基づいて、まず2010年7月にドイツで開催されるThe James Hogg Societyの国際学会への発表原稿をまとめた。"James Hogg's Borders"をテーマとして開かれる本学会においては、The Shepherd's Calendarを中心として、Hoggの民間信仰についての記述が、David Humeに代表される啓蒙主義的歴史観及び懐疑主義的神学観といかに関わり、またそれを乗り越えようとしたのかを考察する。さらに、Hoggの晩年に出版された物語集Altrive Talesにも注目し、論文集『スコットランド文学その流れと本質』(仮題)への掲載論文の準備として資料収集、分析作業を行った。
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Research Products
(1 results)