2010 Fiscal Year Annual Research Report
民話の芸術作品への変容とグローバル化:ブリテン諸島の「あざらし女」民話を中心に
Project/Area Number |
21520295
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
下楠 昌哉 同志社大学, 文学部, 准教授 (90329532)
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Keywords | 英文学 / 民俗学 / イギリス・アイルランド / 民話 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究の目的は、特定の地域で語られてきた民話が様々な文化メディアに取り込まれて芸術作品に変容しつつ、新たな存在意義を獲得している事例についてケース・スタディを行うことである。2010年8月12日~15日まで北アイルランド、コールレインでフィールドワークを行い、現地で民話を収集し、その後8月18日までアイルランド、ダブリンのユニヴァーシティ・カレッジ・ダブリンで資料収集を行った。コールレインで実際に収集した民話を一語一句にわたって再現したテクストを付した学術論文を執筆完成したが、投稿した学内紀要Doshisha Literatureが平成22年度は刊行されなかったため、平成23年度における刊行を目指す。 本研究の副次的な目的の一つとして、海外の研究者に対して日本の現代大衆文化と西洋の民間伝承との長い歴史あるつながりをアピールすることがある。この目的は、North England Irish Culture Network主催の第8回Irish Studies Conferenceで、現代の日本でも人気のある、スコットランドの民話を活用した作家フィオナ・マクラウドの、松村みね子による翻訳作品について口頭発表することによって果たされた。この口頭発表を基にした論文は、平成23年度内に刊行予定である。また、松村みね子の翻訳作品研究のための注意点を研究ノート「松村みね子翻訳のフィオナ・マクラウド作品を研究するにあたっての留意点」としてまとめ、同志社大学英文学会刊行の『主流』第72号に発表した。
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Research Products
(2 results)