2010 Fiscal Year Annual Research Report
『キリストの生涯の黙想』が15世紀の大衆思想に与えた影響について
Project/Area Number |
21520298
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
田口 まゆみ 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (30216832)
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Keywords | 英文学 / 思想史 / 文献学 / 認知理論 / 中世 |
Research Abstract |
1. 『イエス・キリストの尊い生涯の鏡』の認知論による論考: キリストの生涯の黙想という信仰形態はヨーロッパ後期中世の宗教・文化の大きな特徴の一つであり、特にイギリスで広く行なわれた。この信仰形態はその後の自我の形成・発達に貢献したと考えられている。キリストの生涯を如実に想像し、その想像した場面に参加する自らの姿を組み入れるという、いわばシミュレーションによる信仰が流布した理由を脳神経科学的認知論を応用して考察した。研究論文は中世英文学関連の国際学会で発表した。学会会場では類似したアプローチが複数のセッションで発表され、人の文化の発展と生物学的特性との関連についての関心が高まっていることを確信した。 2. 『キリストの生涯の黙想』の英語訳Pepys版の編集、刊行: キリストの生涯を黙想するという文化的流行における代表的作品である『キリストの生涯の黙想』(Meditotiones Vltae Christi)の英語訳のうち写本Pepys 2125版の編集・刊行を計画し、出版に向けて活動してきた。この作品についての研究発表を国際学会で行いMiddle English Textsシリーズ(Universitatsverlag, Winter [Heidelberg])から出版の内諾を得ることができた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Mirroring Christ as a Meme2012
Author(s)
Mayumi Taguchi
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Journal Title
postmedieval : a journal of medieval cultural studies (Special issue as the proceedings of the papers read at the seventeenth biennial international congress of the New Chaucer Society)
Volume: (未確定)
Peer Reviewed
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[Presentation] Mirroring Christ as a Meme2010
Author(s)
Mayumi Taguchi
Organizer
The seventeenth biennial international congress of the New Chaucer Society
Place of Presentation
the Universita per Stranieri di Siena, Italy
Year and Date
2010-07-19
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