2009 Fiscal Year Annual Research Report
『ロランの歌』データベースの構築と電子校訂法の確立
Project/Area Number |
21520331
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小栗栖 等 Wakayama University, 教育学部, 准教授 (60283941)
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Keywords | 『ロフンの歌』 / テキスト校訂 / 武勲詩 / 叙事詩 |
Research Abstract |
当初の予定通り、オックスフォード本の校訂作業とデーターベースの拡充に力を注ぐと同時に、いくつかのツールの開発も行った。すべての作業が予定通り、順調に進行している。以下に詳細を記す。 1, 校訂作業 データベースの基盤となる、オックスフォード本の校訂作業は一通り終了したが、最終的な見直しや手直しには、なお時間が必要である。 2, データベース 『ロランの歌』の校訂と解釈について、網羅性の高いデータベースが作成されつつある。現在、世界的に見ても、類似のデータベースは存在しない。 (1) 既存校訂本と私の作成する校訂テキストの異同に関するデータベースについては、Bedier (1921), Mortier (1940), Brault (1978), Moignet (1970), Segre (1989), Dufournet (1999)のデータに、Short (2006年)を追加した。また、Whitehead (1965)の追加に着手した。 (2) 上述校訂本の注釈を網羅した参照データベースを作成した。 (3) 諸文法書による、『ロランの歌』からの引用を網羅した参照データベース作成が進行中である(4冊について基礎データの入力を終了した)。 3, 校訂作業ツールの開発 校訂作業と同時進行で開発されるため、下記のツールは、実用性が高いものとなっており、今後、データベースのさらなる拡充を可能とするだろう。 (1) DEAFのErrata情報をすべてデータベース化し、索引を作成した。希望する研究者には配布している。 (2) 校訂作業とデータベース作成作業を効率よく行うための専用ソフトを開発した。マニュアル等が未整備のため未公開である。 (3) 校訂テキストをディプロマティック版とクリティック版にLaTeX組版できるよう、基本データを処理するソフトを開発した。現在、公開に向けマニュアルを執筆中である。
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