2012 Fiscal Year Annual Research Report
『ロランの歌』データベースの構築と電子校訂法の確立
Project/Area Number |
21520331
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小栗栖 等 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60283941)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ロランの歌 / テクスト校訂 / 電子校訂 / 電子辞書 / データーベース / 古仏語 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、1)「『ロランの歌』データベース」を作成すること、2) 当該データベースの作成に際して、コンピュータを最大限に利用したテクスト校訂の作業方法を構築することであった。 1) は、オックスフォード本『ロランの歌』の校訂テクスト作成作業を通じて、様々なソフトウェアや電子辞書を開発することにより達成された。とりわけ、写本画像閲覧ソフト(Oliphan)とLa Curneの古仏語辞書とRainouardの中世オック語辞書の電子化などをあげることができる。とくに、電子辞書については反響が大きく国内外の研究者から使用の報告があった。また、電子辞書を活用して、『ルイの戴冠』の語彙集の補遺を作成したが、これは、ロマンス語研究の分野で世界的に権威のある学術雑誌、『ロマンス語文献学誌』に掲載された。また、電子校訂法に関する東北大学での講演も好評をえることができた。 1) については、『オックスフォード本ロラン電子校訂本』をpdf書籍の形にまとめあげた(全610ページ)。これについては、自前の校訂テクストを提示するだけでなく、他の代表的な校訂本のテクストとの差異を脚注に記載することが当初の目標であった。しかし、研究が進むにつれ、かなりの方針転換を余儀なくされた。たとえば、作業を進めるうちに、他の校訂本の問題が目につき、それらの批判を展開するためにかなり踏み込んだ脚注を付す必要が生じた。さらに、いくつか注はあまりに肥大化したため、独立した論文の形で発表せざるを得なくなった。たとえば、従来とは異なった新しい読みの発見については、国際中世叙事詩学会日本支部研究発表会で、それを報告するとともに、論文のかたちにまとめた。論文は上記『ロマンス語文献学誌』に掲載が内定している。 以上のように、当該研究は様々な成果をあげたが、その大半はWEB上で、世界中の研究者に公開されている
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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