2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520339
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐伯 隆幸 学習院大学, 文学部, 教授 (90052521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マレ ティエリ 学習院大学, 文学部, 教授 (60188654)
大野 麻奈子 学習院大学, 文学部, 准教授 (00316928)
ヴェドレンヌ ヴェロニック 大阪大学, 外国語学部, 特任准教授 (00533621)
ブランクール ヴァンサン 慶應義塾大学, 文学部, 訪問准教授 (30424211)
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Keywords | 仏文学 / フランス演劇 |
Research Abstract |
平成21年度は主にコルテス作品についての資料収集および書籍としての作品研究の基礎固めを行うと同時に、次年度以降の、演劇的実践からの作品研究のためのさまざまな準備を行った。資料収集についてはコルテス作品および研究書を何冊か購入。また、現在どのような研究が世界的に行われているかを各メンバーが調査し、役立つ情報を見つけ次第報告しあうことにしている。作品研究については、定期的に行った研究会においての発表と討論が中心となった。4月の研究会ではまず研究会としての全体的な方向性および計画を討論しあった。研究発表としては佐伯がコルテス作品の翻訳論、舞台上演についての考察を述べた。7月の研究会においては身体表象文化学科の学生である西が、コルテス作品においては数少ない小説(未完成作品)Prologueにおける、語り手とジェンダーの問題について研究発表を行った。西の研究は、作品の途中で語り手が別の性別を持つ別人に入れ替わるというこの作品の特異性に焦点をあてたものであった。9月の研究会においてはブランクールが、コルテス作品におけるユートピアについての発表をした。戯曲、小説と入れ混ぜ幅広くコルテス作品を扱い、作品群を貫いているとみられるユートピア志向について緻密に分析をした。12月の研究会においてはヴェドレンヌがコルテスの戯曲作品におけるモノローグについての研究を発表した。コルテスの戯曲作品全体が研究対象ではあるが、中心となったのはRetour au desertについての分析であった。以上4回の研究会において、いずれも発表者以外の各メンバーからの意見も活発にあがり、それぞれの研究の糧になった。次年度以降の研究の準備としては、平成22年度に東京で上演される予定の『西埠頭』を研究対象にするという計画の準備(劇場、演出家、通訳などとの交渉)を行った。
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Research Products
(3 results)