2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520339
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐伯 隆幸 学習院大学, 文学部, 教授 (90052521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マレ ティエリ 学習院大学, 文学部, 教授 (60188654)
大野 麻奈子 学習院大学, 文学部, 准教授 (00316928)
ヴェドレンヌ ヴェロニック 大阪大学, 外国語学部, 特任准教授 (00533621)
ブランクール ヴァンサン 慶應義塾大学, 文学部, 訪問准教授 (30424211)
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Keywords | 仏文学 / フランス演劇 |
Research Abstract |
平成22年度は、コルテス作品を戯曲作品の演劇的実践を通して研究することが中心となった。4月22日~25日には新国立劇場において、演劇研修所修了生のためのサポートステージとしてコルテス作品『西埠頭』が上演された。この企画において台本は当研究代表者佐伯の翻訳が使用された。日本人俳優と演出家の意思疎通を図るための通訳二人は、通訳・翻訳の持つ重要性を鑑みて当研究グループが選択し、研究会メンバーは稽古、上演ともに参加することによりそれぞれの研究の糧を得ることができた。特に、コルテス作品をフランス、アフリカなど数力国ですでに演出を手がけてきた演出家との、作品をめぐる討論は演劇実践者と研究者双方にとって刺激的であった。 上述の演劇的実践を通しての研究以外では、前年度に続き定期的に行われた研究会での発表と議論を通じて研究が深められた。4月の研究会においてはコルテス作品の上演史、翻訳論について佐伯が発表、12月の研究会においてはマレが『コルテス作品における表象不可』論を発表した。前者はコルテス作品の演劇的実践の現状を検証、報告したものであり、後者はその現状をふまえたうえで作品の「表象」について再度検証し考察したものであった。両者の研究は補完しあう面もあり、両研究を巡る議論は平成23年度にも継続されることであろう。22年度の研究において反省するべき点としては、このような良質な研究発表および議論が、研究分担者以外ではわずか数名の研究者しか参加しない中で行われたことである。23年度は研究会の告知にも心がけたい。
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