2011 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀科学イメージの表象分析ーー現代社会の神話としての科学表象
Project/Area Number |
21520350
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原 克 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40156477)
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Keywords | 身体表象 / 機械と身体 / 境界侵犯 / 科学表象 / ポピュラー系科学雑誌 / 情報処理機械 / サラリーマンの身体性 / サイボーグ的身体表象 |
Research Abstract |
本課題実績の柱は次の三点であつた。 (その一)「健康」と「身体的美しさ」を無媒介に癒合した「健康美神話」における、機械と身体的本質構造の表象関係。(その二)20世紀の特質として「電気エネルギー」表象、とりわけ「高周波電流」表象が「体外から体内への境界侵犯」という神話圏を形成するプロセス。(その三ダナ・ハラウェイ「サイボーグ宣言」が帰結させた「機械と生体の雑種」構図が20世紀初頭以降すでに各種身体加工器具の表象圏において起動している様相。 上記の三点を、米国・ドイツ・日本の科学啓蒙雑誌の記事・テキスト・図像を対象にして表象分析をかけた。その結果以下のような構図が確認できた。 (その一)こうした20世紀固有の機械と身体の相互関係の中から、それまであった有機体的一体論としての身体表象が、「部品」の集合体という身体表象に解体・再編成されてゆく。その際、理念的・哲学的議論にも増して、機械と身体の直接的接触体験からくる表象体系の方が影響力を発揮した。とりわけ、本来、機械が固有に内包している「限定的目的のための限定的機能性」というものが、従来の身体表象がもっていた「全体性」イメージを解体してゆくのを促進した。 (その二)部品化という身体表象の再編成は、体外から体内への人為的手立てとして実現する。結果、体表および体表感覚が「境界侵犯」されることになる。ここに後年サイボーグ的身体表象と呼ばれるものの表象的基盤が誕生した原点がある。 以上の実績を以下に記す書籍として出版し世に問うた。
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Research Products
(3 results)