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2010 Fiscal Year Annual Research Report

文簡本を中心とした『水滸伝』の研究

Research Project

Project/Area Number 21520368
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

氏岡 真士  信州大学, 人文学部, 准教授 (60303484)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 加奈子  信州大学, 人文学部, 准教授 (80293489)
Keywords八巻本 / 十巻本 / 百十五回本 / 百二十四回本 / 三十巻本 / 不分巻系繁本 / 英雄譜本
Research Abstract

昨年度に続いて、いわゆる簡本を中心に、『水滸伝』版本各種の調査分析を進めた。
まず南京図書館所蔵の八巻本および北京の国家図書館が所蔵する十巻本についての知見を、「両種"出像本"《水滸》在百十五回諸本中的位置」と題して、発表することができた。このうち八巻本については、今年度の北京における調査でも複数の図書館に蔵されることが、新たに確認できた。
つぎに百二十四回本については、昨年度に信州大学附属図書館で収蔵した大道堂刊本とは別のバージョンが首都図書館などに所蔵されているが、今年度に比較対照したかぎりでは前者のほうが良いテキストと考えられる。そして底本とおぼしき百十五回本2系統との異同について検討した結果、白二十四回本は2系統に分かれる以前の初期の百十五回本に基づく可能性が濃くなった。すると百二十四回本の成立は相当早く、長期にわたって読み継がれてきたことになる。これは金聖歎の七十回本で『水滸伝』の歴史は一段落というような通念を揺るがす具体的な知見であり、「試探百二十四回本《水滸》的底本」と題して年度末に公表済みである。
さらに三十巻本についてはパリと東京に存する三種すべてを検討する眼福に恵まれ、その特殊性と背景について「三十巻本『水滸伝』について」をまとめ、発表の機会を待っている。この考察に当たっては宮内庁や無窮会・多久市郷土資料館などに蔵される不分巻系の繁本について調査できたことも大きな力となっている。
ほかに佐賀大学所蔵の英雄譜本についても、二刻英雄譜本や漢宋奇書本との関係を明らかにするための手がかりを色々と得ることができた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011 2010

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] 試探百二十四回《水滸》的底本2011

    • Author(s)
      氏岡真士
    • Journal Title

      人文科学論集〈文化コミュニケーション学科編〉

      Volume: 第45号 Pages: 1-17

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 可能表現の使用に関する日中比較2011

    • Author(s)
      伊藤可奈子
    • Journal Title

      人文科学論集〈文化コミュニケーション学科編〉

      Volume: 第45号 Pages: 19-33

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 両種“出像”本《水滸》在百十五回諸本中的位置2010

    • Author(s)
      氏岡真士
    • Journal Title

      中国古典小説研究

      Volume: 第15号 Pages: 89-106

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2012-07-19  

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