2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520375
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三木 直大 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10190612)
|
Keywords | 台湾文学 / 現代詩 / 比較文学 / モダニズム / ポストモダニズム |
Research Abstract |
本年度も引き続き、池上貞子氏(跡見学園女子大学)佐藤普美子氏(駒沢大学)松浦恒雄(大阪市立大学)を連携研究者とし、台湾現代詩研究会を組織して、(1)台湾現代詩の研究と翻訳紹介(2)台湾から詩人・研究者を招聘し、日本の詩人にも参加を依頼しての研究会開催及び公開形式の台湾現代詩ワークショップ.開催を大きな柱として研究をすすめた。 (1)については、当初より計画の翻訳詩集(台湾現代詩人シリーズ第II期、思潮社)を、研究代表者を編集委員として刊行した。『新しい世界―鴻鴻詩集』(三木直大編訳)『あなたに告げた―陳育虹詩集』(佐藤普美子編訳)『禅の味―洛夫詩集』(松浦恒雄編訳)『ギリシャ神弦曲―杜国清詩集』(池上貞子編訳)『無明の涙―陳克華詩集』(三木直大編訳)の5冊である。各詩人は台湾現代詩史において画期を記す詩人たちであり、各詩集には研究成果の一部である詳細な解説・年譜等も付している。 (2)については東日本大震災などの影響により、予定の開催時期を一部変更することになったが、第3回は10月に「新しい詩の世界を求めて」をテーマとし、台湾から鴻鴻氏・陳育虹氏・許悔之氏、日本から野村喜和夫氏・蜂飼耳氏・杉本真維子氏の協力をえて、台湾現代詩の現在とその表現をめぐって議論した(CIC東京)。第4回はH24年4月に「人間、このクィアなるもの」をテーマとし、台湾から陳克華氏、日本から高橋睦郎氏の協力をえて、現代詩におけるセクシュアル・マイノリティの表象をめぐって議論した(同)。ワークショップについては2冊の報告集の作成したほか、『現代詩手帖』2012年2月号の特集「中国語圏の"新しい詩人"たち」などで、議論の詳細な内容その他の研究成果を発表している。 また、研究代表者は3月に国立中正大学(台湾)で開催された「陳克華跨領域学術研討会」での論文発表や報告のほか、国家図書館などで資料調査を行うなどしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた日本語訳詩集については予定どおり刊行することができたが、もうひとつの柱であるワークショップ開催については、H24年度に繰り越しのかたちで開催せざるをえなかった。とはいえ、計画していたものについては、予定どおり行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度のH24年度についても、引き続き研究会や公開式のワークショップの開催などによって、台湾現代詩についての研究をさらに深めていくとともに、これまでに作成したワークショップ報告書類や、発表してきたものなどを整理しながら、報告書にまとめる予定である。
|
Research Products
(6 results)