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2009 Fiscal Year Annual Research Report

文法と言語外情報との接点をさぐる

Research Project

Project/Area Number 21520391
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

奥 聡  Hokkaido University, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (70224144)

Keywords統語論 / 情報構造 / インターフェイス / スクランブリング / 削除現象
Research Abstract

初年度は、情報構造に基づく日本語の語順交代現象と省略現象に関する機能主義的研究の知見(久野1978,Kuno 1995,神尾・高見1998など)を生かし、生成文法研究の極小主義(Chomsky 1995,2004など)で近年議論が盛んになってきている狭い意味での文法能力と言語外知識とを結びつけるインターフェイスのメカニズムを明らかにすることを目的とし、主に文献の収集、分析をおこなった。Reinhart(2007)のReference set computationの枠組みを援用し、これまで一般に「自由である」とされてきた日本語の語順交代現象が、実際には「インターフェイスにおいて移動の理由が認められる場合に限られる」という仮説を経験的に検証してゆく作業をおこなっている。
Miyagawa(1999,2003)以降、日本語の語順交代は統語的に義務的であるというメカニズムが議論されているが、基本語順の派生と有標語順の派生にかかる統語上のコストが同じであるという仮定は、成り立たないということを、本研究の初年度(平成21年度)の研究で明らかにした。成果の一部は、9月に行われた理論言語学ワークショップにおいて招聘発表として発表した。(また、長谷川編『統語論の新展開と日本語研究:命題を超えて(仮題)』2010年秋刊行予定、および2010年5月のFormal Approach to Japanese Linguistics(米国カリフォルニア大学Santa Cruz校)にて発表予定)。さらに、Focus(情報構造)における音韻上の特徴に関する先行研究を広範囲にわたりreviewを行った結果、日本語の語順交代現象と音韻上の特徴との関しては、まだ不明な点が多いことが判明。認知能力一般との関係をにらみながら、語順交代が起こっている場合の音韻上の特徴と情報構造との関係をより詳細に分析してゆくという、今後の具体的な研究の方向性に対して、重要な示唆が得られた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 統語、情報構造、一般認知2009

    • Author(s)
      奥聡
    • Organizer
      理論言語学ワークショップ『日本語の統語研究の新展開:命題を超えて』
    • Place of Presentation
      神田外語学院
    • Year and Date
      2009-09-03

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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