2009 Fiscal Year Annual Research Report
「数詞句単独投射仮説」に基づく日・中・英語名詞句構造の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
21520394
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鈴木 猛 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (00187741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 富男 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (80360329)
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Keywords | 生成文法 / 名詞句 / 数詞 / 助数詞 / 類別詞 / 付加 |
Research Abstract |
本研究は、生成文法の枠組みに立脚し、「3人」、「5冊」等の数詞表現の統語的特性に着目する。主な先行研究では、数詞は「学生」「本」等を補部として取り、複合的な「数詞句」を投射するという(いわば全体で1人前の複合投射:[数詞句[名詞句学生(補部)]が3人]…)。これに対し本研究は、日本語の数詞句は、名詞句を補部に取らず、独立して生起する(数詞句単独で1人前)と主張する。さらに数詞句は名詞句等関連投射に付加(adjunction)が可能でありその結果、3人の学生が…/学生3人が…/学生が3人…/学生の3人が…/3人のその学生が…等の表現(構造)が可能になると予測され、実際、それらすべてが具現化している。 研究者間でメールによるやりとりと平均月1回のミーティングを経て、名詞句を形成するいくつかある名詞句拡大投射のどれに数詞表現が付加するかによって意味の違いが導かれることを証拠を挙げて論じ、上記仮説を支持する論文を作成。いくつかの国際学会に応募。その結果Chicago Linguistic Society(CLS:北米でLSA,NELS,WCCFLと並ぶメジャーな、言語学の伝統のある国際的学会)で採択された。(参考:2010年4月8日に発表済。)Proceedingsに掲載予定。どちらも平成22年度の研究実績として報告予定。 同論文は、数詞表現が副詞的に動詞修飾を行う場合にも言及し、名詞句投射内の場合と並行的な分析が可能なことを示唆している。
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