2009 Fiscal Year Annual Research Report
構文意味解析技術に応用可能な統語論・意味論インタフェースの研究
Project/Area Number |
21520398
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 真 Shizuoka University, 情報学部, 教授 (30225627)
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Keywords | 言語学 / 計算機科学 / 構文意味解析 |
Research Abstract |
対話データベースを用いた構文意味解析器の評価から、構文意味解析器への入力となる形態素解析器に関する問題が明らかになった。構文意味解析が正しく行われるためには、形態素解析器の出力が正しいことが前提となるため、そもそも形態素解析に失敗する入力は、構文意味解析を正しく行うことができない。そのため、概念辞書中に登録されている語彙のみが使われているにも関わらず、形態素解析に失敗する事例に関して、形態素解析器のチューニングが必要となる。ところが、これまで使用してきた形態素解析器が、語彙の追加、既登録語彙情報の編集、形態素解析ルールの追加・編集等の作業において、必ずしも作業効率が良いものとは言えず、これが構文意味解析器の開発速度に影響を与えてしまった。そのため、これまでの形態素解析器に代わって、あらたな形態素の導入を決定し、その候補を選定した。 開発中の構文意味解析器の評価の一環として、解析器を対話システムの構文解析モジュールとして利用し、その対話システムを核とする日本語対話訓練システムにおいて評価を行った。こn日本語対話訓練システムは、学習者の入力文から生成される意味表現を、学習者が対話中に発話すべき内容を蓄積したシチュエーション知識に重ね合わせることで、入力の正誤判定や入力文に対する意味内容の補完を行うことができる。学習者入力のシチュエーション知識への重ね合わせは、一般の対話システムにおけるユーザ入力の文脈への重ね合わせの操作に相当すると考えてよい。この評価結果から、重ね合わせに失敗する最大の原因が、構文意味解析器に起因するものではなく、形態素解析の失敗によるものであることが明らかになった。このことからも、上で述べた新たな形態素解析器の導入が緊急の課題であることが確認された。
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