2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸言語における他動性と非規範的構文に関する記述的・理論的・実証的研究
Project/Area Number |
21520400
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鄭 聖汝 大阪大学, 文学研究科, 講師 (60362638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
パルデシ プラシャント 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語対照研究系, 准教授 (00374984)
吉成 祐子 岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (00503898)
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Keywords | 非規範的構文 / 他動性プロトタイプ / 意図性・非意図性 / 映像実験 / 言語的コード化 / 普遍性・個別性 / 類型論 / アジア諸語 |
Research Abstract |
本研究は、非規範的構文に見られる言語的制約の範囲(南アジア諸語と東アジア諸語の比較から)と語用論的選択の相違(日韓語の比較から)を明らかにすると共に、非規範的構文を作り上げる四言語の共通のパターンを発見し、その背後にあるメカニズム(普遍性と個別性)を解明することを目指している。 この目的を遂行するために本研究で最も力を入れて行ったのは、心理学的手法による映像実験を通じた意図性・非意図性と関わる他動性プロトタイプの検証であった。他動性プロトタイプによると、言語的コード化において意図的な出来事は他動詞文と、非意図的な出来事は自動詞文とそれぞれ相関することが予想される。つまり、他動性プロトタイプに基づく予測では、この相関関係は通言語的に見られる普遍的性質とされるのである。ところが、昨年度(初年度)行った我々の実験調査によると、言語の個別性または類型論的な相違が想定できる有意味な実験結果が得られた。具体的には、マラーティー語ではプロトタイプに符合する実験結果が得られているが、少なくとも韓国語ではプロトタイプに符合しない実験結果が得られたのである。 そこで、今年度は日本語母語話者を対象とした実験調査をさらに行い、3言語を比較分析し、その研究成果を日本語文法学会第11回大会のパーネルセッションで発表を行った。引き続き、韓国言語学会やアメリカのICPLJ7学会でも発表を行い、理論的な考察だけでなく、日本語教育への応用も視野に入れた展開があった。
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Research Products
(12 results)