2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520417
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
白井 英俊 中京大学, 情報理工学部, 教授 (10134462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 賢一郎 中京大学, 国際教養学部, 教授 (20162753)
有田 節子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (70263994)
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Keywords | 談話構造 / 談話理解 / 法情報 / 時制 / アスペクト情報 / 分節談話表示理論 / 形式意味論 |
Research Abstract |
研究代表者は、収集した解説文(教科書など)、新聞記事、物語(教科書など)、および対話(学生間や母子間の会話)を対象とした談話関係付与コーパスに基づいて行った基本的な談話関係の定義を見直し、さらなる精密化を行った。また文献「論理とレーニング」での分析と比較し、文献と比べて、分析結果の構造の一致度が高いこと、また談話構造の特徴がよりよく捉えられることを確かめた。さらに最終年度では修辞関係を手がかりに談話構造の抽出を自動化する課題に取り組んだが、これについて分析が中途であり、自動化までには至らなかった。 研究分担者は、談話構造について、認知的概念である「イベント」(event)との関わりの観点から分析した。その際には、英語の大規模コーパス(Corpus of Contemporary American English; COCA)から実際の用例を抽出した。その結果、文法モデルの多重的階層間での双方向的関連が明らかになった。たとえば、語彙レベルでは不自然と想定される事例でも、時制や様相等に関わるより複合的な上位レベル、さらには、文をこえた談話構造レベルから実際にライセンスされうるという知見がえられた。この点は、談話構造と(従来の)文文法とのダイナミックな相互関係の一つの現れと解釈される。また、本研究期間全体を通じて、自然言語の談話構造について、当初の計画に基づき、時制、さらには時間認識に本質的に依拠する認知的対象であるイベントの視点から分析を行った。
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Research Products
(4 results)