2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓両言語の呼称語と述語表現の共起関係に関する容認性判断と性格特性の影響
Project/Area Number |
21520447
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
林 ひょん情 Yamaguchi Prefectural University, 国際文化学部, 准教授 (30412290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
宮岡 弥生 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (10351975)
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Keywords | 呼称語 / 述語待遇表現 / 共起関係 / 容認性判断 / 性格特性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語と韓国語の呼称語と述語表現の多様な共起関係に対する容認性判断に及ぼす個人の性格特性の影響を明らかにすることである。本年度は、まず「状況の違いに応じて使われる呼称語と述語待遇表現の共起パターン」について検討を行った。 具体的には、親疎関係・上下関係・性別の組み合わせの異なる対人関係を想定し、発話場面(フォーマル・インフォーマル)に応じて被験者がそれぞれの相手に対してどのような呼称語を選択し、それと共起する形でどのような述語表現を用いるのかについて検討した。その結果、呼称語(対称詞)と述語表現の使用においては日韓両言語ともに違いが見られ、同じ相手であってもインフォーマルな場面よりはフォーマルな場面でより丁寧な表現を選択する傾向が見られた。一方、呼称語と述語表現の共起関係をみると、従来の日本語と韓国語の敬語法の研究では、呼称語と述語との関係はある程度固定していると考えるのが慣例であった。つまり、呼称語で敬体を使えば、述語にも敬体がくるということである。しかし、本調査では、場面や相手との関係に応じて待遇レベルに程度の差はあるものの、日韓両言語ともに敬語を控えたり、本来ならば敬語を使うべき人に対して敬語を使わない場合が見られた。つまり、両言語の呼称語は、場面や相手との関係によって多少流動的であり、それぞれの述語と独立して使用でき、規則的な用法から外れ、ある程度戦略的に使われていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)