2010 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員裁判における言語コミュニケーションの定量的分析と伝達モデルの構築
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21520453
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 教授 (70330008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋内 武 桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (20069131)
水野 真木子 金城学院大学, 文学部, 教授 (90388687)
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Keywords | 法言語学 / 裁判員裁判 / 語用論 / コーパス言語学 / 法と言語 / 法廷コミュニケーション / 社会言語学 / 司法通訳 |
Research Abstract |
22年度は、研究計画書の中で申請した予定に基づき、以下の活動を行った。 (1)「資料の収集・コーパス化」の活動として、市民が理解可能と思われる裁判員裁判で用いられる法律用語を同定・評価するための参考資料として、裁判員制度施行前後の裁判員裁判に関する報道記事について、読売、朝日、毎日、日経の4紙を中心に21年度に収集した2001年から2009年度分までコーパスに加え、2010年のものを追加した。 (2)「裁判分析・評価モデルの構築」の活動として、前年度同様、素人と法曹のコミュニケーションに関して言語学的な分析が比較的進んでいる英米の研究を中心に、文献調査を行った。加えて、模擬裁判のデータと裁判員制度施行前後の判決文のデータをコーパス化して比較し、各裁判参加属性に基づいた使用語彙の差異から、参加態度や心理的・思考的差異などを対応分析などの統計的手法を用いて抽出し、客観的な指標で法廷コミュニケーションの比較・分析モデルを提案した。 (3)「研究会の開催」に関する活動として、元・国際法言語学会会長のJohnGibbons氏や関連性理論を用いて法言語学の研究を進めている志賀大学の中村秩祥子氏を迎えて研究会を行った。 以上、平成22年度は、全体としては概ね研究計画通り研究が遂行し、最終年度に実施予定の(3)の目的を遂行するための研究の足がかりはできたと言える。なお、上記の研究成果の一部については、別欄記載の通り、学会発表、学術雑誌、研究紀要、単行本などにおいて公表済みである。
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Research Products
(8 results)