2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓役割語の相互学習支援と参与観察研究-ネットを介した物語創作の協同活動-
Project/Area Number |
21520460
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鄭 惠先 Hokkaido University, 留学生センター, 准教授 (40369856)
|
Keywords | 役割語教育 / ネットコミュニティー / 社会言語能力 |
Research Abstract |
本研究では、日本語教育現場と韓国語教育現場という2つの教育・研究拠点に加えて、日本と韓国の両地域を結ぶネットコミュニティーシステムを利用し、韓国人日本語学習者と日本人韓国語学習者の協同活動の場を提供することで、両言語役割語の相互学習を支援する活動を行う。なお、活動の中で交わされる議論を分析し、その結果を日韓対照役割語研究の発展にフィードバックする研究活動も並行して行う。 したがって、今年度にもっとも力を入れて主に取り組んできた活動は、ネットコミュニティーを使った相互学習体制の構築と定着であった(より参加者の幅が広く自由度の高いコミュニティー空間としての常時開設ブログ)。具体的な流れは以下のとおりである。 (1)日本と韓国あわせて4ヵ所の教育機関にて勤務中の研究協力者の協力を得て、各研究協力者が指導した両言語学習者を推薦してもらった。(研究協力者:北海道大学/研究代表者及び佐藤恵理講師、韓国江原大学校/恩塚千代招聘講師、京都外国語大学/坂口昌子准教授、長崎外国語大学/ヤン・ジョンソン講師) (2)推薦してもらった学習者を参加メンバーとするネットコミュニティーシステムを開通した。まず、無料公開型SNSのmixi、GREE、My Space、freeMLなどを検討して試行を行った後、freeMLに「日韓役割語相互学習倶楽部」という非公開コミュニティーを開設した。現在の参加学習者は、韓国人日本語学習者6名、日本人韓国語学習者5名である。今後、活動の成果を見守りながら、もっと参加者を増やしていく予定である。 (3)コミュニティーの中では、まず両言語役割語についての共通理解や相互学習のための関係作りを行った。その後、研究代表者から提示される役割語を中心とした漫画作品の日韓翻訳など、いくつかの課題を参加者同士の協同活動形式で遂行中である。 以上の活動の様子は、パネルディスカッションやシンポジウム発表の形で、報告を行っている。
|
Research Products
(3 results)