2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520461
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
矢野 謙一 Kumamoto Gakuen University, 外国語学部, 教授 (00271453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 晃次 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (90291450)
岸田 文隆 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (30251870)
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Keywords | 外国語 / 言語学 / 朝鮮語 |
Research Abstract |
今年度の研究は「言語認識」と「言語開発」をテーマに行った。「言語認識」は北朝鮮の言語学の教科書を調査分析した。この分野の研究成果はさほど政策に反映されていないことがわかった。言語政策は朝鮮語学(該当国の国語学)者を中心に北朝鮮独自の方法により立案されていることが判明し、朝鮮語学者の論文、著書の分析検討に方向を変え、現在研究が進行中である。「言語開発」は1960年代の漢字語を固有語に置き換える運動は1980年代初めに頓挫したことが今年度の研究過程で判明した。この結果1990年代から現在までの北朝鮮における言語政策の揺れを明らかにすることが可能となった。この知見にもとづき広く文献を調査した結果、この政策に従うと、旧世代が書き残した回想や文献が直接読めなくなるという問題が提起され、教育を通じて次の世代への「革命伝統」の継承が困難なことが理解され、漢字語の教育が党の政策を維持してゆくためにも不可欠であるという認識に変わり、漢字語に対する政策が転換されたことがわかった。またそれ以前に新たに作られた語彙も定着できなかった語彙が多くあることもわかった。1990年代以降は政治の分野では漢字語による新しい語が党の文献で多く使われているがこの現象の原因も判明した。今年度は国連の対北朝鮮経済制裁により資料の入手が思うようにならず、8月中国の延辺朝鮮族自治州の図書館を訪問し不十分ながら資料の収集を行った。
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Research Products
(1 results)