2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520461
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
矢野 謙一 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (00271453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 文隆 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (30251870)
植田 晃次 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (90291450)
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Keywords | 外国語 / 朝鮮語 / 言語学 |
Research Abstract |
2010年度は「言語開発」と「言語管理」をテーマに義務教育用の教科書の語彙、歌謡曲の歌詞、文化語の開発理論を研究する計画であった。 義務教育用の教科書の語彙分析は矢野が担当し、小学校教科書「偉大な領導者金正日元師の幼き頃」1年から4年生までの4冊と中学校教科書「偉大な領導者金正日元師の革命活動」1年と2年の2冊の分析を終了した。その結果、一定の単語と表現が頻繁に反復され、独特の敬語法の使用で「領導者」に対する尊敬と無条件の服従を無意識のうちに植え込もうとする手法が詳しく解明出来た。 歌詞の分析は主に植田が担当したが、ある単語が出て来ると、別の単語が連想されるように作られていることがわかったが、更なる分析には曲が必要となったが、対北朝鮮経済封鎖の影響で資料のCDなどが入手出来ず、進展が望めず、植田は昨年の研究をより精密化することにした。この結果、月日を含んだ言語政策史の詳しい年表を作成できた。これによりより精密な言語政策の分析が可能となる。 岸田は文化語の開発理論について1960年代以降を発表された論文や研究書を調べた。文化語開発については、まず先に金日成や金正日の発言があって、それに応じて政策が作られ、その結果を体系的に述べたものが「文化語開発理論」と言われていることがわかった。 また中国黒竜江省や吉林省に行き、資料を求めたが、中国と北朝鮮は文化交流をほぼ中止しているようで、新しい資料は見られなかった。しかしハルビン朝鮮族1中で「朝鮮語」の授業を参観し、教師が自問自答する形で授業が行われていることがわかり、教科書の分析を新しい視点で行えるようになった。
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