2009 Fiscal Year Annual Research Report
山田孝雄・小林好日を視座とした近代日本語学確立過程の学史的研究
Project/Area Number |
21520466
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 倫明 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (20178510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00161993)
大木 一夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00250647)
甲田 直美 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40303763)
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Keywords | 日本語学史 / 文法研究史 / 方書研究史 / 日本語史研究史 |
Research Abstract |
日本語学史研究において、近代日本語研究がいかに確立されてきたかというのは極めて重要な視点である。そこで本研究では、近代日本語学確立期における日本語学者で、多分野にわたり研究成果を残した小林好日に一方の焦点をあて、また、日本語文法論や日本語史研究において大きな影響を与えた山田孝雄にもう一方の焦点をあて、両者の研究成果の位置づけを行うことによって、近代日本語学がどのように確立されてきたのかを検討する。この二人を軸に、多面的な検討を総合的に行うことで、近代日本語研究の確立過程を明らかにすることを目的とする。 本年度は、小林好日の諸資料の分析をすすめ、小林の学問の形成基盤・影響関係の把握を行った。また、山田孝雄の文法論・語彙論を中心とした研究成果の把握を行い、山田の位置付けの検討に備えることとした。さらに、当時の日本語研究の研究動向・水準等の把握をおこなうべく、近代日本語学史の専門家との研究会を開催した。その結果、得られた成果は次のようなものである。 1.東北大学史料館に寄贈されている小林好日資料(講義ノート・受講ノート・研究ノート等)の基本的な目録の再整備をおこない、より精細な内容をもつデータベースの作成を進めた。なお、この作業は東北大学史料館の協力を得た。 2.小林好日の方言関係の業績として名高い東北通信調査の項目について検討し、それが副詞や性向語彙、民俗語彙などにも及ぶ点でその後の『日本言語地図』などより広い範囲の分野をカバーしていることを明らかにし、その学史的な位置づけについて検討した。 3.山田孝雄の研究成果の把握をおこなった。『山田孝雄博士著作年譜』を利用して山田孝雄の文法論・語彙論研究の成果を整理を進めた。なかでも、山田孝雄の語構成論研究および文(句)成立論・陳述論の論理構成を検討し、その成果の詳細を把握し、今後の位置づけに備えた。 4.近代日本語学の確立期における学的動向の把握を進めた。
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Research Products
(1 results)