2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520479
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
北原 博雄 Seitoku University, 人文学部, 准教授 (00337776)
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Keywords | アスペクト / 限界性(telicity) / スケール構造意味論(scalar semantics) / 後置詞・前置詞 / 程度修飾 |
Research Abstract |
平成21年度は、句末が「に」である着点句と結果句の共通点を明らかにした。 (1) a. 太郎が駅に着いた。b. John arrived at the station. (2) a. *太郎が駅に走った。b. John ran [to/*at] the station. (3) a. [x BECOME [x BE AT-z]] b. [x ACT] 日英語の間で観察される、(2a)の着点「に」句と(5)の着点to句との許容度の違いは、先行研究で指摘されてきた動詞の性質によるのではなく、後置詞「に」と前置詞toの違いによると考える。(1) の「着く」、arriveの語彙概念構造が(3a)、(2) の「走る」、runのそれが(3b)だとすれば、着点を標示(mark)する「に」は、変化動詞の語彙概念構造(3a)の中のATだということになる。(3a)の下位事象[x BE AT-Z]は存在動詞の語彙概念構造であるので、ATは、「ここにペンがある」の「ここに」の「に」と対応するものでもある。つまり、着点と存在場所を標示する「に」は語彙概念構造ではATだということになるい。一方、英語のto句はrunと共起して着点句になるにとから、着点to句は語彙概念構造には存在せず統語派生のある段階で動詞(の投射)にMergeされていると考える。 上で述べたことは、句末が「に」である日本語の結果構文、in句・(in)to句が結果句である英語の結果構文でもそのまま当てはまる。
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