2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代における漢語表記の実態とその背景に関する調査研究
Project/Area Number |
21520486
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹原 宏之 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80269505)
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Keywords | 漢字 / メディア / ひらがな / カタカナ / 表記の揺れ / 交ぜ書き / 新聞 |
Research Abstract |
これまでの調査研究の補完と分析・考察の総括を実施した。具体的には、昨年度までに見出した新聞、テレビ放送の各種番組やCM等における字幕やフリップ、また雑誌(月刊誌、週刊誌など)、インターネット上の各種のホームページやブログ、ツイッター,電子メール、手紙などにおいて使用された漢語を中心とする語の表記のうち、重要度が高いと考えられたものに対する調査と分析を行った。 各種の国語辞書における掲出・注記と新聞などにおける実際の用例との間に見られる差異を明確化し、その表記のなされた背景に存在する諸要素に関し、各方面からの分析と、種々の考察を行った。それぞれの表記上の揺れや違例を生じさせたことが想定される要素として、次の1~6を設定して検討を加え、さらにその他にどのような要素が考えられるのかを検証した。 1 歴代の漢字政策 2 各種メディアの定めた表記規則 3 筆記素材・表記機材による物理的な制約条件 4 表記の産出時における生理的な制約条件 5 表記の産出時における読者への配慮、心理的な表現意図 6 その前後を含めた文字列の状況から見た読み取りやすさの意識 用例の1例ごとに、細かな検討も加え続け、また、それらの表記形がもたらすことを期待される各種の効果やそれらの実際の作用についても明らかにするため、表記を生み出した者や受容した者への意見聴取も実施し、確認された表記主体や読み手の意識を加味しながら、漢語の表記、特に本来的とは認めがたい表記の生み出されるメカニズムとその役割などの法則性等について検討を重ねた。さらに、それらの日本語表記としての今後のあり方について考察した。これらの調査研究に関して各種の成果報告を公表した。
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Research Products
(10 results)