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2009 Fiscal Year Annual Research Report

日本語諸方言における意味的隣接表現の文法体系への取り込みに関する研究

Research Project

Project/Area Number 21520494
Research Institution大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

Principal Investigator

三井 はるみ  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 助教 (50219672)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 文子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 准教授 (90263186)
日高 水穂  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80292358)
Keywords日本語学 / 方言 / 文法研究 / 言語変化 / 佐賀方言 / ギー / 昔話文字化資料
Research Abstract

「意味的隣接表現の文法体系への取り込み」(元来別の表現分野に属する形式が,隣接の表現分野の基本的形式に代わるものとして用いられる現象)の例として,佐賀県方言の順接仮定条件表現形式「ギー」を取り上げ,用法・体系を把握するための臨地調査を行った。
「ギー」は,動詞連用形からの転成名詞「きり」に由来すると考えられるが,現在,佐賀県方言(特に佐賀西部方言)では,順接仮定条件表現を担う中心的な形式となっている。佐賀県内の2地域2世代における調査の結果,この形式を最も多用する佐賀西部地域高年層においては,(1)「ギー」の意味用法は,共通語の「ば」「たら」「と」の持つ意味用法のほぼ全体をカバーするほか,共通語では「なら」のみが担う認識的条件文にまで及ぶこと,(2)「なら」と同様,従属節末でのテンスの分化を有すること,が明らかになった。このように広い意味用法を持つ順接仮定条件表現形式は,全国的に見ても他に知られていない。
これにより,この形式の文法体系への取り込みのメカニズムを分析し,言語変化上の位置づけを明らかにすることは,「研究の目的」に挙げた,言語変化研究および,文法研究としての目的に合致するものであるとの見通しを得た。今回の調査では,意味用法の範囲に広狭の違いのある2地域2世代の話者から回答を得ている。今後これらを比較対照して分析することで,変化のプロセスの一端が明らかになることが期待される。
また,この形式の意味用法について,量的側面を考慮に入れた分析を行うために,当該地域方言による昔話文字化資料の電子化を行った。

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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