2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520506
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
服部 範子 Mie University, 人文学部, 教授 (00198764)
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Keywords | 英語の強勢 / 音節 / 好韻律性 / 音声変異 / 英語のリズム |
Research Abstract |
「境界マッピングと境界削除」の枠組みを用いた英語の強勢衝突と強勢移動に関するこれまでの研究によって、強勢移動は強勢の置かれた連続する2つの音節が引き金となる局所的な現象であるとみなす従来の記述の不備を補い、強勢衝突による強勢移動は音韻と統語の相互作用により生じるもので、単に連続する音節でなく、それらが同一句内にあることが必須条件であり、英語母語話者はこの統語情報を利用していることを実証的に示してきた。これら一連の研究は英語の好韻律性に関する記述をより正確にすることに貢献してきた。また、強勢衝突条件の音響学的分析は、聴覚印象に基づく変異研究を補うものである。 一方で、聴覚印象に基づく変異研究は母語話者でないと直観が働かないという不利が常につきまとう。本研究では、変異研究の手法を応用して英語の好韻律性を非母語話者が知識として獲得可能な方法を模索してきた。音声言語の特徴が楽譜に反映される可能性についてイギリスの音声学者が指摘しているが、文献においては単発的な指摘にとどまっており実証に欠けていた。英語学習者が英語のリズムを習得する一つの方法として、まず、音符の音価を音節の長さと同一視することで、音価に反映される音節の長短(そしてこれは強勢の有無を反映するものであるが)可視化した。次に標準化配列間変動指標を導入することにより、モーラベースの日本語を母語とする英語学習者による英語のリズム習得を可能にする新たな方法を提案した。
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Research Products
(1 results)