2012 Fiscal Year Annual Research Report
統語論におけるコピー理論へのトップダウン式接近法に関する研究
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21520508
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
寺田 寛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90263805)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 英語学 / 統語論 / 生成文法 / ミニマリスト・プログラム / トップダウン派生 / 再構築 / 言語習得 |
Research Abstract |
文の統語構造を構築する上で正しいとされてきたボトムアップ式接近法に対する有望な代案として、トップダウン式の構造構築の接近法を提案し、チョムスキーのミニマリストの枠組みをもとに研究を行った。A移動の再構築現象を調査した後、2011年の研究は、Chomsky (1981)で提案された束縛理論の(A)と(C)の条件の適用時期について議論し、Lebeaux (2009)で述べられている考え方、すなわち、束縛条件(A)が文の派生においていつ満たされてもよい条件であるのに対し、条件(C)は派生のあらゆる時点で満たされていなければらない条件であるという主張を支持するべきであると結論付けた。この仮定にもとづいて、Terada (2012)は、Aバー移動の再構築現象を取り上げ、Leddon (2006)によって観察された、英語の母語話者と英語を母語として獲得している幼児の再構築特性の違いを、トップダウン式の再構築接近法の観点から説明した。日本人の英語学習者にも、幼児と類似の特性が見られることから、彼らが再構築操作適用後に得られる構造をより構築しやすくするための方略を用いている可能性があることを指摘することで説明を試みた。これは疑問文に関する研究であったが、Terada (2013)では、関係節の内部にも見られる再構築現象に、トップダウン式接近法を適用した。この研究から、トップダウン式の接近法では、再構築現象に見られる英語母語話者と日本人英語学習者との違いを簡潔に説明できることを主張した。 この研究の意義と重要性についていえば、トップダウン式の再構築という殆ど研究されていなかった方法論を探求しており、より説得力のある説明を行っている点で、また英語の教員やそれに準ずる大学生・大学院生の再構築に関する知識を調べた点で前例があまりなく、貴重である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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