2010 Fiscal Year Annual Research Report
関連性理論に基づく翻訳可能性の基礎的研究:表意、推意から、解釈的類似性、想定まで
Project/Area Number |
21520517
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
東森 勲 龍谷大学, 文学部, 教授 (20148604)
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Keywords | 関連性理論 / 翻訳 / 表意 / 推意 / 文化的想定 / 社会的想定 / 異文化語用論 / 漫画(コミック)文化 |
Research Abstract |
日本語から英語への翻訳では、English Language Teaching through Japanese Comic Translation : A Relevance-Theoretic Accountと題して、研究成果を2011 HAWAII INTERNATIONAL CONFERENCE ON EDUCATION (Honolulu, Hawali, January 7, 2011)発表した。 ゴースト・ハントという漫画を取り上げて、関連性理論から表意、推意における日本語から英語への翻訳の問題点をいくつか指摘した。この作品では、学校内での学生の呼びかけ語(先輩、後輩など)が日本語では普通にでてくるが、英米圏では通例、このような社会的ランキングでは呼ばないので、翻訳ではsempai,kouhaiとローマ字化されているだけである。また、幽霊が出る場面では日本語では擬声語、擬音語、擬態語が多用されているが、英語での対応するオノマトペ表現はあまりないので、日本語でかなり違う音が同じ英語で翻訳されている。日本語でないが、英訳にはかなりの詳しい情報を追加して翻訳されたりもしている。悪魔払いをするのに、仏教、神道、キリスト教などいろいろな宗教で、呪文唱えるが、神道の呪文のみ、日本語のままで英訳されていない、また、京都弁をしゃべるアメリカ人の日本語がすべて標準語の英語で翻訳されているなど、翻訳としての問題もある。 英語から日本語への翻訳ではMrs. Doubtfire<ミセス・ダウト>を取り上げて、かなり詳しく研究したので、来年はこの成果を海外で発表する予定である。
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Research Products
(2 results)