2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520518
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
西川 眞由美 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (00411702)
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Keywords | 談話標識 / 認知語用論 / 関連性理論 / 間投詞 / 手続き的意味 |
Research Abstract |
本年度は、平成22年度の動詞・副詞由来の談話標識の研究結果を反映させ、その作業の進捗状況を確認しつつ、「談話における意味と機能」という観点から英語談話標識の研究を行った。たとえば、話題転換時に頻繁に使用される談話標識by the way, now, anyway, look, okay, so, you know, well, oh, ahなどについて、詳細にその意味と機能を分析するとともに、それらがどのように異なった方法で話題転換という発話行為を遂行するのか(使用文脈、話題転換の方法などの観点から)について考察した。また、その結果を学会や論文で発表した。 さらに、now, look, okay, well等、会話の中で主に聞き手の注意を喚起するために使用される談話標識に関しても、映画のセリフなどからデータを収集し、考察を行った。同時に前年度の研究に、必要に応じて方法論的修正を加えながら通常の語彙に由来する談話標識に関する調査を継続し(特に談話標識okayの意味と機能について)、研究成果をまとめて国内外の学会で発表したり、内外の研究者達と意見交換を行った。具体的には主に下記の事柄を詳細に分析し、記述した。 (1) 話題転換時に使用される談話標識の意味と機能、それぞれの使用における違い (2) 注意喚起の際に使用される談話標識の意味と機能、それぞれの使用における違い (3) 談話の中で類似した機能を持つ談話標識の意味と機能に関する一番効果的な学習者用英和辞典の中での提示の仕方についての新しい提案
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、「話題転換」と「注意喚起」に関与する談話標識について、考察を行った。また個別には、おそらく世界中で頻繁に使用されている米国語法Okayについて、応答詞及び談話標識としての意味と機能に関して、認知語用論的な視点から研究を行い、学会発表、論文での発表を通じてその知見を広く内外に公開した。さらに、辞書の国際学会において、談話標識の辞書定義に関して新たな提案を行い、このような英語の談話標識が辞書の使用者にわかりやすい形で理解できるよう新たな提案を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
談話標識といってもその種類は多岐にわたる。今後も様々な談話の節目や発話行為に関与する談話標識に注目しながら、個々の機能を考察し、違いを明らかにしたい。さらに、特定の談話標識に絞って詳細に分析も続ける予定である。 しかしながら、話し言葉の中からデータを収集し、仮説を立て、先行研究を参照しながら、それらの問題点を洗い出しつつ仮説検証し、その優越性を実証するためには一年以上かかってしまう。また、その研究を国内・国外の学会で発表し、研究者たちの意見を聞きながら修正を加えていくとさらに一年がかかってしまうが、それだけの時間をかけなければ良い結果も出てこない。 したがって、残された2年を、頻繁に使用されているものに項目を絞って、従来の方法論で研究を続けていきたいと考えている。
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