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2012 Fiscal Year Annual Research Report

英語談話標識の認知語用論的研究

Research Project

Project/Area Number 21520518
Research InstitutionSetsunan University

Principal Investigator

西川 眞由美  摂南大学, 外国語学部, 准教授 (00411702)

Project Period (FY) 2009-04-01 – 2014-03-31
Keywords談話標識 / 関連性理論 / 認知語用論
Research Abstract

本年度は、平成23年度の動詞・副詞由来の談話標識とその話題転換時における機能の違いに関する研究結果を反映させ、その作業の進捗状況を確認しつつ、「談話における意味と機能」という観点から英語談話標識の研究を行った。具体的には、発話の中で聞き手の注意を喚起する談話標識(okay, you know, by the way, now, look, so, um, you know what)などについて、詳細にその意味と機能を分析するとともに、それらがどのように異なった方法で注意喚起という発話行為を遂行するのかについて考察した。
さらに、談話標識の使用によって伝達される話し手のさまざまな感情についても映画のセリフなどからデータを収集し、考察を行った。同時に、前年度の研究に必要に応じて方法論的な修正を加えながら通常の語彙に由来する談話標識に関する調査を継続し、研究成果をまとめて国内外の学会で発表したり、内外の研究者たちと意見交換を行った。具体的には主に下記の事柄を詳細に分析し、記述した。
① 注意喚起の際に使用される談話標識の意味と機能、それぞれの語彙項目の使用における違いを明らかにした。② 談話標識の使用によって伝達される話し手の感情(驚き、苛立ち、喜び、懸念、皮肉、ためらいなど)について、様々な会話データを分析し、なぜある文脈でそのような感情が伝達されるのかを明らかにした。 特に、皮肉については、談話標識を含む様々な言語表現によって伝達されることを考察した。③ 談話標識of courseについて、その中核的意味と使用文脈情報や前後の発話内容等をもとに、丁寧さと失礼さがどのように生まれるのかについて明らかにした。
また、平成24年度は、このような注意喚起や話者の感情導出にかかわる談話標識についての研究を仕上げ、国内・国外の学会や論文で発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

談話標識の中核的意味をもとに、それが使用される文脈内でどのような談話機能を持つのか、またそこから導出される話し手の心的態度や対人関係に関する多様な伝達効果を研究することが本研究の目的である。それに関し、おおむね代表的な談話標識、たとえば、間投詞由来の談話標識(oh, ah, um, huhなど)、動詞由来の談話標識(look, say)、副詞由来の談話標識(okay, actually, well, anywayなど)、句に由来する談話標識(you know, I mean, you know what(something), of courseなど)について、それぞれの
中心にある談話標識としての意味、談話内での多様な役割を明らかにした。また、それぞれ同じ役割を果たしている談話標識どうしの機能の差異についてかなり分析を進めることができた。特に、話題転換や、注意喚起、話し手の感情表出にかかわる機能などについては学会や論文を通じて国内外に発表することもできた。さらに、辞書記述を通じて(特に、ジーニアス和英辞典第3版(大修館書店出版)では)、その一端を英語学習者にわかりやすく提示することもできた。この調子で、今後も英語の談話標識のさまざまな観点について研究を進めていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は、24年度の研究成果を踏まえ、談話標識としてあげられる代表的な項目に関し、さらに詳細に分析、考察し、記述する予定である。具体的には、you know, I mean, look, now, Ok, of course, you see, well, oh, ah, uh, hm, butなどについて、その中核的意味とさまざまな談話内での機能をさらに深く見ていきたい。
それらの談話標識については、下記の項目に重点を置いて調査する予定である。
① もともとは何に由来するのか(たとえば、動詞、副詞、間投詞など)②中核的な意味と談話内での働き(たとえば、話題転換や注意喚起など)③談話内、発話分内での生起位置(たとえば、文頭、文中、文尾など)とそれらによる意味や機能の違い ④何と何を関連付けているか(たとえば、文と文、発話と発話、話題と話題、受け取った情報や記憶など)⑤それらをどのように関連付けているか(たとえば、後続発話は先行発話の理由など)⑥文法的・状況的・使用領域的などの観点から、どんな環境で使用されるか(たとえば、疑問文と共起、話し手がこれから話そうとしていることは聞き手の想定にないと判断した場合、くだけた会話の中で、など)⑦どの程度まで文法化が進んでいるか(たとえば、動詞としてのlookと談話標識としてのlookは全く機能が異なるので、文法化はかなり進んでいると考えられる)
また、談話標識のこういった研究結果を国内・国外の学会や論文で発表したり、辞書記述の中で英語学習者にわかりやすく説明をする予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] アイロニーを生み出す言語表現ー関連性理論の視点から2013

    • Author(s)
      西川 眞由美
    • Journal Title

      Setsunan Journal of English Education (SJEE)No.7

      Volume: 1 Pages: 95-110

  • [Presentation] 映画で学ぶof couseの語用論2012

    • Author(s)
      西川 眞由美
    • Organizer
      映画英語教育学会大18回大会
    • Place of Presentation
      京都女子大
    • Year and Date
      20120806-20120806
  • [Presentation] A new echoic account of verbal irony2012

    • Author(s)
      西川 眞由美
    • Organizer
      PALA(Poetics and Linguistics Association) 2012
    • Place of Presentation
      バレッタ、マルタ共和国
    • Year and Date
      20120718-20120718
  • [Book] 第1回映画英語アカデミー賞2012

    • Author(s)
      西川 眞由美(分担執筆)
    • Total Pages
      215
    • Publisher
      スクリーンプレイ社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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