2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本語発話解釈の難しさに関する研究-言いさし発話に注目して-
Project/Area Number |
21520547
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
荻原 稚佳子 Meikai University, 外国語学部, 講師 (10458482)
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Keywords | 日本語教育 / 談話分析 / コミュニケーション / 言語学 / 言いさし / 発話解釈 |
Research Abstract |
本研究は、日本語コミュニケーションにおける発話解釈の難しさがどこにあるのかを解明するために、日本語コミュニケーションの特徴の一つであると言われている「言いさし」発話について、日本語・英語・中国語・韓国語コミュニケーションでの出現の実態と発話解釈のなされ方を調査するものである。 21年度は、日本語母語話者及び中国語母語話者、韓国語母語話者について、日本語による自由会話と母語による自由会話(各15分)のデータを収集した。収集に際しては、性別と親しさにより対話相手の組み合わせを変えて会話を行ってもらい、日本語による自由会話では、日本語母語話者同士については30組、中国語母語話者同士については18組、韓国語母語話者については30組のデータを収集した。日本語による会話データは文字起こしを行い、中国語、韓国語による会話は、そのうちの一部について文字起こしと翻訳作業を依頼し行った。 文字起こしを行ったデータのうち、母語話者による談話について、各ターン末の「言いさし」の出現頻度、および、「言いさし」の様態について分析した。その結果、自由会話においては、インタビュー会話より「言いさし」出現の頻度が高いことが明らかになった。さらに、「言いさし」は、文末まではっきり発話しない「言いさし」、倒置により生じた「言いさし」、文に語句を付加することによる「言いさし」の3種が使われていることがわかった。 次に、荻原(2001)を参考にした「言いさし-その対応の連鎖」による分類分け作業を行った。その結果、インタビュー会話においても、自由会話においても、これらの連鎖は出現していることが明らかになった。
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