2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520550
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉岡 英幸 早稲田大学, 日本語教育研究科, 教授 (00092461)
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Keywords | 日本語教材 / 史的変遷 / 対象別 / 分野別 / 研究論文 |
Research Abstract |
研究の主要なテーマは、戦後の日本語教材の変遷を明らかにすることであるが、この研究のために核となる調査は次の3点である.(1)戦後発行された日本語教材の具体的なデータを収集し、リストを作成すること。(2)教材の分析及び研究を行うためにどのような視点が必要かなどを明らかにするため、教材研究に関する研究論文のデータを大学の紀要や関連雑誌から収集してリストを作成し、それを分析すること。(3)戦後の日本語教材の変遷を見るためには、戦前の日本語教材の動向を把握し、その流れの中でどのような特徴、変化があったかを把握する必要がある。換言すれば、継続されたものあるいは断絶したものは何かなどを明らかにする必要がある。そのため、戦前の日本語教材、特にこれまで調査されていない日本語教材をできるだけ広く調査し、収集すると同時に分析することが重要である。 今年度は、主として上記の(1)と(2)の作業を行ったが、それと並行して(3)の戦前の日本語教材で未調査のものが所蔵されていると考えられていたロシアのサンクトペテルブルグを訪問して、1909年発行のベリッツ著『日本語教科書ヨヲロッパ版』などを発見、調査した。また、名古屋大学所蔵の日本語教材の調査も行った。さらに、研究成果の発表もかねて、中国の大連外国語大学を訪問し、講演や専門家との意見交換などを行った。 3年間の成果として、1946年~2010年に発行された日本語教材とその特徴を表す諸要素を記したリスト及び、1946年~2011年に発表された日本語教材関連の論文とその内容を表すキーワードなどを記したリストを『日本語教材及び日本語教材関連論文目録』(353ページ)としてまとめ刊行した。
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