2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520551
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
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Keywords | 機能シラバス / 発話機能 / コミュニカティブ・アプローチ / 日中対照 / 語用論的条件 / 策動 / 表出 / 演述 |
Research Abstract |
平成22年度は、発話機能ラベリング付の発話用例集(シナリオ・データ)を、日本語、中国語それぞれにおいて相当量作成することができた。これは本研究課題が作成を目指すところの、「日本語発話機能用例集」、「中国語発話機能用例集」のベースとなるものである。 これまでに作成した発話用例集は、初年度に発刊した山岡他共著『コミュニケーションと配慮表現』(明治書院刊)第6章「発話機能論」に記した「発話機能リスト」に基づいて、どのような語用論的条件・命題内容条件のもとでその発話機能が発動しているかを記述したものである。この作業をそれぞれの言語の母語話者である大学院生にアルバイトとして行わせ、研究代表者の監修のもと整理を行った。その過程では、資料提供や作業方針の策定などで、研究協力者の李奇楠北京大学副教授に多大な協力をいただいた。 両言語の発話機能を対照する過程で文化的背景の差異が配慮表現の違いとして現れることにも注目し、並行する配慮表現研究を行っている。平成22年7月31日~8月1日に台湾・国立政治大学にて開催された「日本語教育世界大会2010」では、この趣旨における配慮表現研究の周知と議論の活発化を目的として、「配慮表現の意義と射程」と題する研究発表を行い、日中両語に詳しい研究者諸氏より貴重な示唆を得ることができた。 また、平成23年2月には、牧原功群馬大学准教授、小野正樹筑波大学准教授がそれぞれ取得している科学研究補助金研究課題との合同研究会として「第1回日本語コミュニケーション研究会」を筑波大学にて開催した。国内外の日本語研究者・言語コミュニケーション研究者の出席をいただき、活発な議論検討を行った。 さらに同年3月には、この作業の進展の中間報告並びに、意見聴取を目的として、米国・サンフランシスコ州立大学にて開催された「第7回実用日本語学国際会議」において、発話機能の対照研究に関する研究発表を行った。いずれの機会に於いても、国内外の主要な研究者諸氏より様々に有益な示唆を得ることができたと考えている。
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Research Products
(3 results)