2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21520551
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
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Keywords | 機能シラバス / 発話機能 / コミュニカティブ・アプローチ / 日中対照 / 語用論的条件 / 策動 / 表出 / 演述 |
Research Abstract |
平成23年度は、主として前年度に作成した発話機能ラベリング付の日本語・中国語発話用例集(シナリオ・データ)について、一つ一つの発話についてその発話機能を認定しながら行ったラベル付けが両言語において共通の方針で行われているかどうかを照合する作業を、日中両言語に堪能な李奇楠北京大学副教授の研究協力を得ながら行った。 この作業を通して、発話機能範疇の基本的な普遍性を一つ一つ確認しながら、個別言語の文化的背景に拠る固有の特徴について考察を進めた。この考察の一事例として、2011年8月21日、中国・天津外国語大学にて開催された「日本語教育世界大会2011」において「禁止表現の日中対照研究」と題する研究発表を行った。禁止という一つの発話機能、そしてそこに見られる配慮表現において日中両言語の文化差が見られることを主張したが、これに対して参加者諸氏から有益なコメントを得ることができた。 またその際、湖南省長沙市を訪問し、湖南師範大学を拠点として中国語圏における現地調査を行った。具体的には、中国語母語話者の会話用例の採集、その際に現れた配慮表現と思われる表現についての意識調査などである。今後、この資料を日中両語の発話用例集に加え、コーパスとして実用化が可能かどうかについて、慎重に検討を進めたい。 また、2011年2月に、牧原功群馬大学准教授、小野正樹筑波大学准教授がそれぞれ取得している科学研究補助金研究課題との合同研究会として「第1回日本語コミュニケーション研究会」を筑波大学にて開催したが、その発表成果をまとめた論集「日本語コミュニケーション研究論集第1号」を、本補助金を用いて2011年10月に発刊した。この成果に基づき、2012年1月には、その「第2回日本語コミュニケーション研究会」を同じく筑波大学にて開催した。ここには国内外の日本語語用論・コミューニケーション研究者の出席も得て、本研究テーマへの関心の共有・周知と共に、活発な議論を喚起することができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「日本語発話機能用例集」「中国語発話機能用例集」のデータ化、発話機能ラベリング、照合作業が当初の計画通り、順調に進んだことが最大の要因である。また、国際的なシンポジウムでの発表、関連テーマの研究者との合同研究会の開催を通じて、本テーマの考察を順調に進めている。不満があるとすれば、日本語に比べて中国語のデータが比較的少ないことである。その点は最終年度の作業でカバーしていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
両言語の発話機能用例集を「発話機能ラベリング・コーパス」として実用化し、今後の発話機能研究、コミュニケーション研究に活用できるものにしたいと考えている。そのためにはラベリングによる検索も可能なデータベースにできるよう、情報工学専門家の協力も得て、CD-Romの作成、Web公開を進めていきたい。 また、牧原功氏、小野正樹氏との合同研究会の研究論集第2号の発刊、第3回研究会の開催を通じて、本テーマの考察の有益性を確認していきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)