2009 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語ライティングに対する日本語学習者ビリーフ調査、およびライティング教材開発
Project/Area Number |
21520554
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
長谷川 哲子 Osaka Sangyo University, 教養部, 准教授 (20368153)
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Keywords | ビリーフ / ライティング / 日本語学習者 / 接続詞 / 作文 / 接続のスコープ |
Research Abstract |
平成21年度においては、本研究課題の研究機関の初年度に当たるため、本研究の主眼の一つであるライティングのビリーフ調査に向けて、先行研究の渉猟および関連文献の収集が主な研究活動となった。その結果、日本語教育の分野におけるビリーフ調査については、日本語学習者もしくは日本語教員に対象とし、日本語の学習や指導に関するビリーフを調査するものが大半である傾向がうかがえる。本研究での研究目的であるライティングのビリーフを扱った先行研究も希少ながら存在するが、調査対象や質問項目の精査の余地があると見られる。そこで、平成21年度の文献調査より得られた知見に基づき、ライティングに特化したビリーフ調査の作成および実施を平成22年度の主な研究活動とする予定である。 平成21年度の研究成果発表として、下記のとおり、口頭発表を行った。 「接続詞の使用と作文のわかりやすさについて-接続のスコープの観点から-」 長谷川哲子(大阪産業大学) 第12回専門日本語教育学会研究討論会(2010年3月6日 東京工業大学) この発表においては、日本語非母語話者による作文における接続詞使用を考察対象とした。作文評価(大学教員による作文の分かりやすさの評価調査による)とその作文における接続詞の使用との間には、数的および量的関連は見出しにくいことを示し、従来の作文研究における接続詞使用の研究の問題点を指摘した。また、実際の接続詞の運用においては、数的傾向ではなく、使用に関する質的傾向を考察すること、およびその成果を作文教材に反映させることの必要性を述べた。
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