2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520565
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
村上 雄太郎 Ibaraki University, 工学部, 教授 (50239505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 昭夫 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (20203284)
|
Keywords | 日本語教育 / ベトナム語教育 / 対照言語学 / 漢越語 / 文法化 / 語彙習得 / 文法習得 / 言語接触 |
Research Abstract |
研究代表者・分担者ともに、『日越辞典』・『越日辞典』編纂に向けての基盤構築研究として、ベトナムにおける資料収集、研究成果の公表を行なった。 主な研究実績(具体的な取り組み)は、以下の通りである。 研究代表者は、2010年3月に、ベトナム・フエ外国語大学およびホーチミン国家大学において、日・越両語における漢語表現の使用状況及びその意味・機能の対照に関する資料収集を行なった。また、現代ベトナム語への和製漢語の伝播状況や、日・越両語における動詞や助詞の文法化について考察し、研究成果として発表するとともに(「11.研究発表」のとおり)、フエ外国語大学日本語日本文化学科において「日・越両語における取り立て助詞の対照-「まで」とdenの場合」と題する講演を行なった。 研究分担者の今井は研究代表者・村上と共に、現代ベトナム語における漢越語の研究の一環として和製漢語の伝播状況について共同研究を行い、とくに20世紀初頭のドンキン義塾のテキストや1917年から1934年まで発行された『南風雑誌』における和製漢語の存在状況について調査した。この調査により、和製漢語がベトナムに伝播したのは主に20世紀初頭以降、とりわけ東遊運動以降であることが判明した。おそらく実際の資料に基づいて実証的に示されたのは本調査が世界的にも最初だと思われる。また、今井はベトナムでの調査において各種の辞書の収集に努めるとともに、現地での研究協力者と辞書編纂をめぐって意見交換を行った。
|