2011 Fiscal Year Annual Research Report
日米の看護師国家試験問題のテクスト理解と語彙:使用言語の難易度の妥当性
Project/Area Number |
21520594
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
深谷 計子 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (00238445)
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Keywords | 看護師国家試験 / テクスト理解 / 語彙 / 日本語 / 英語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の看護師国家試験の問題文の日本語の改良である。すなわち、問題文の日本語が、外国人看護師候補者にとっても明瞭で理解しやすいものであるべきで、試験によって測定されるものは、高度な日本語力というより、看護知識の有無でなくてはならない。試験問題が看護知識を測定するものになるような試験に改良するために、(1)外国人看護師候補者が直面する言語面での問題分析と解決策を模索し、(2)その結果を学会や出版物で公表し、(3)厚生労働省などに働きかけ、問題文の改良を図ることが本研究の目的である。 (1)に関して、平成21年度に行った調査から、外国人看護師候補者が直面している問題は日本語の読みと意味理解だけではなく、看護専門知識の不足も大きく関与していることがわかった。また、漢字にルビをふったり、試験時間を延長したりすることが結果の向上につながることも判明した。 調査結果を学会や出版物で公表するという(2)に関しては、平成23年度は世界応用言語学会(AILA)で発表した。また、神田外語大学大学院紀要に成果すべてを発表した。関連した研究が書籍Task-Based Language Teaching in Foreign Language Contexts : Research and Implementationの中に掲載されることになった。 (3)では、平成23年度の国家試験問題は一部の漢字にルビが振られ、各文に主語がおかれ、難解な語が平易な語に改まり、疾病に関する用語などに英語表記の併用といった改善が見られたが、外国人看護師候補者の合格率は劇的には増加しなかった。そこで、本調査結果に基づいて厚生労働省に更なる進言をし、平成24年度の試験ではすべての漢字にルビが振られ、時間延長も考慮される方向となった。今後の改良点は医療専門用語すべてに英語表記を併用することであると考える。
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Research Products
(2 results)