2009 Fiscal Year Annual Research Report
異文化の学習環境が言語学習ストラテジー使用に与える影響
Project/Area Number |
21520599
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大須賀 直子 Meiji University, 国際日本学部, 准教授 (40514162)
|
Keywords | 第2言語習 / 学習ストラテジー / 学習スタイル / 異文化学習環境 |
Research Abstract |
本研究全体の目的は、学習者が自分の文化的背景と異なる学習環境に置かれた場合に、どのように主体的にストラテジー使用を変化させるのかを探ることである。これまでの学習ストラテジー研究は、ストラテジーを静的・固定的な個人差要因として扱ったものが多かったが、本研究は、学習ストラテジーは社会的文脈において変化するものと捉え、質的アプローチを使用する点に特色がある。 3年にわたる研究であるが、初年度の平成21年は、当初の計画通り、まず先行研究の見直しをおこなった。1970年代に始まった学習ストラテジー研究がどのように発展し、2000年代に入ってどのような問題点を指摘されるようになったのかを、主要研究を見直して整理した。また、近年の学習ストラテジー研究の新しい方向性についても考察した。今後の学習ストラテジー研究は、社会文化的アプローチを用いる方向に進むのではないか、といのが私の見解である。これらの成果は、「最近の言語学習ストラテジー研究動向」という論文にまとめ、『国際日本学部研究』第2巻、第1号に発表した。 一方で、実際の調査も開始した。被験者は、日本人大学生で半年間アメリカの大学に留学した者5人と、外国人学生で日本に留学してきた者4人である。彼らに個別にインタビューをおこない、またSILLという質問紙も使って、彼らのストラテジー使用の変化を調査しているところである。時間的経過を伴う調査なので、まだ結果は出ていないが、2年目以降、徐々に成果をまとめて発表していく予定である。 なお、2009年3月には、アメリカで開かれたTESOLの年次大会に出席し、ストラテジー関係の研究発表を聞き、最新の情報を得ることができた。
|
Research Products
(1 results)