2011 Fiscal Year Annual Research Report
異文化の学習環境が言語学習ストラテジー使用に与える影響
Project/Area Number |
21520599
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大須賀 直子 明治大学, 国際日本学部, 准教授 (40514162)
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Keywords | 第2言語習得 / 学習ストラテジー / 学習スタイル / 異文化学習環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、留学を中心とする学習環境の変化が、日本人英語学習者の言語学習ストラテジーの使用にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることであり、研究開始以来、5人の参加者へのインタビューと質問紙調査(SILL)によって、彼らの言語学習ストラテジー使用が大学入学後、留学前、留学後でどのように変化をするかを経時的に探ってきた。その結果、学習者が留学で日常的に英語母語話者に接することにより、「自分を励ます」、「質問をする」、「発音に気をつける」、「言い換えをする」、「文法にあまりこだわらない」、「細部よりも重要な部分に注意を向ける」など、様々な新しいストラテジーを使うようになることが明らかになった。その中でも顕著だったのは、「中間言語の不具合によるコミュニケーション上の問題を克服するときに使用される」(中谷,2005)コミュニケーション・ストラテジーの使用であった。そこで本年は、中谷(2005)のOral Communication Strategy Inventoryを使用して、留学経験群と留学未経験群では、コミュニケーション・ストラテジー使用にどのような違いがあるかを調査した。その結果、「社交・情緒ストラテジー」、「発話時における意味交渉ストラテジー」、「対話の流暢さを維持するストラテジー」において留学経験群の使用認識が有意に高く、「発話の中断・放棄ストラテジー」、「聴解に対する消極的なストラテジー」では留学未経験群の方が有意に高いことがわかった。この結果は、それまでの質的調査の結果と共通する点が多いことが確認された。
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Research Products
(1 results)