2011 Fiscal Year Annual Research Report
外国語教員10年目研修制度の研究と分析ー教員免許更新制導入に向けてー
Project/Area Number |
21520605
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
木村 友保 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 教授 (30329867)
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Keywords | 外国語教育 / 教員研修 / 時事英語ライティング |
Research Abstract |
「外国語教員10年目研修制度の研究と分析」が主なテーマであるが、政権交代で免許更新制そのものの先行きが不透明になってしまったため、「英語の教員10年目研修制度の研究と分析」に限定した。 平成21年度から23年度まで愛知県総合教育センターでそれまでの年と同じように、研修の準備、研修、研修後の指導を行った。研修そのものの評価は、本研究で参考にした受講生の書いた英作文の「使用許可承諾書」を何人の受講生からいただけるかどうかで判断した。研修終了後に承諾依頼文書を送り、受講生から「承諾書」を送付してもらう形を取った。切手を貼ってある返信用の封筒を同封したが、平成21年は16人中15人、平成22年は20人中15人、平成23年は21人中21人から承諾書を送付してもらった。 研究のもう一つの中身は、受講生は全員が英語教員であるが、ライティングについても「ベテラン教師」と言えるかどうかを測定した。これは研究協力者の佐藤雄大氏の量的分析によるところが大きいが、結束性、首尾一貫性、語彙多様性という三つの尺度で測ると、結束性や語彙多様性が高いことが明確になった。だが、首尾一貫性は受講生の中でどこまで「思考」があったかによって異なることがわかった。首尾一貫性は2009年度の受講生が高かったがメール交換でも彼らが一番やり取りが充実していたことを思い出す。ただし昨年度の「研究実績の概要」で「首尾一貫性が最も高い」受講生について研究代表者は量的分析の結果に不満であると書いた。理由は、その受講生は最も遅く課題を出した人物だったからである。しかし、今年度、全くの偶然であるが、その受講生が研究代表者の担当する英語検定一級の面接試験を受けに来た時、その受講生の英語によるすぐれた「論理的構成力」を目の当たりにした時研究担当者が担当した「研修」も限られた期間の、限られた範囲の英語力測定に過ぎないことを思い知らされた。
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