2010 Fiscal Year Annual Research Report
ムードル支援反復ディクテーション演習によるリスニング用ワーキングメモリ増強の試み
Project/Area Number |
21520616
|
Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
松岡 博信 安田女子大学, 文学部, 教授 (10249576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 一路 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20268668)
大舘 実子 安田女子短期大学, 秘書科, 准教授 (40413538)
|
Keywords | ディクテーション / ワーキングメモリ / リスニング・スパン |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究成果を異なる2つの学会にて発表し、また、その論稿は、そのうちの一つの学会の査読付き紀要に掲載された。Moodle上に載せたKDシステム(添削機能付きの反復ディクテーション演習WBT)のログには、添削ボタンを押す度に添削要求の回数(以下CT)と学習者が打ち込んだ英文が逐次記録される。本年度はまず、「ワーキングメモリ(以下WM)の効率性が向上すれば,英文を一度聞いて書き取る場合の長さ(ディクテーションスパン:DS)が伸びる」という仮説の検証を行った。具体的には、前期5回の授業における英語リスニングと反復ディクテーションの継続的活動の結果生じたログを統計的に解析し、CTとDSとの間には、-0.575(p<0.01)という負の相関がみられ、「CTが多ければ、DSが少ない」という、CTがDSの量を測る一つの指標と捉えられる可能性を示した。また別の調査において、厳しいコントロール下で1回のみの音声再生によって打ち込むことのできた英文の単語数(DS)とディクテーション点数から、リスニング点数を予測するべく重回帰分析にかけたところ、重相関係数(r)については.629(p<.01)となり,かつ決定係数(r2)が0.396となって,DSがリスニング力推定の大きな指標となり得ると主張した。さらに、ディクテーションの添削を行う際に、個人間の習性の差異が変数となって結果に影響を考える可能性を考慮し、大学の異なる3つの学習グループによる期間を隔てた2回のディクテーションとリスニング結果を比較し、グループの平均CT(添削総数/人数)がグループの平均リスニング力に影響を及ぼしていることも実証した。
|
Research Products
(4 results)